年収10分の1になった元外資マン。外車、40型TVが悲しい【ハデにコケる人のお部屋】

世界的に有名なビジネス書作家、ブライアン・トレーシーは言った。「成功者の家にはたいてい大きな本棚があり、貧しい人の家にはたいてい大きなテレビがある」。男でも女でも、相手の部屋を見て「この人、大丈夫か?」と思うことってあるもの。そこで、人生でハデにつまずいた30~40代男性のお部屋を訪問、どんなモノがあるのかウォッチしてみた。

転職に失敗。「過去の栄光」物件が悲しい



●高瀬士郎さん(仮名・43歳・保険業)のケース

「大学までやっていたアメフト用語に“デイライト”という言葉があるんです。“一瞬のチャンスを見逃さずに突っ込め!”ということ。僕の人生は、その連続でした」

 大学卒業後、メガバンク系列の金融機関に就職した高瀬さんに初めてのデイライトが訪れたのは、32歳のとき。「安定」を捨て、外資系金融機関に移ると年収は2000万円に倍増した。「昔からエンターテイナー気質だった」という高瀬さんは、自宅にマージャン卓を置いて仲間を呼んだり、毎週末には夫人を連れてBMWで温泉に繰り出すなど、人を喜ばすためならカネを惜しまない生活を送った。

 失敗は、35歳のとき。

年収10分の1になった元外資マン 「ハイリスク・ハイリターンだけど、従業員を喜ばすことのできる企業再生の仕事に誘われたんです」

 だが、請け負った2社はやがて傾き、高瀬さんも共倒れ。現在は保険業で細々と食いつないでいる。今の年収は200万円、実にピークの10分の1だ。

「昔は毎日昼夜とも外食で、値段なんて気にしていませんでした。でも、今はたまの外食も子供2人と奥さんの家族4人でファミレスが精いっぱい。メニューも、目を皿のようにして見てしまいます」

 イケイケなエンターテイナー生活に終止符が打たれ、貯蓄を取り崩しながら自宅のローン返済に喘ぐ日々。立派な一軒家だけに、その重圧感たるやかなりのものだ。それでも「過去は振り返らない性格」と強気の高瀬さんだが、過去の栄光の象徴であるBMWや高級家電、アメフト時代の写真やトロフィーが、嫌でも目に留まる。家の至るところで、強烈な悲壮感を漂わせているそれらを前に、ふと「戻れるものなら10年前に戻りたい」と溜め息を漏らす元エンターテイナー。

 筆者の知人にも、エリートから起業失敗で大コケした人がいるが、彼の部屋(高級マンション最上階)にも40インチTVやウォーターベッドや大きなワインセラーがあった。自己破産寸前になって公団に引っ越すとき、処分に苦労したそうだ。

 リスキーな道を選ぶなら、なぜ貯金しておかないのか? と不思議になるが、イケイケでステイタスにこだわる人ほど、転ぶときもまたハデにやらかすのかもしれない。

<高瀬さんの家にあったもの>

・ボロボロのBMW…マイホームと同時に30歳のときに購入したBMWは、ボンネットの塗装が剥げたままの状態。今の高瀬さんを象徴するかのよう

・マージャン卓…一度火を噴いて以来、放置状態。今は単なる掘り炬燵と化している

・40インチ以上はあろうブラウン管テレビ…当時は「デカい=スゴい」時代だった

・アメフト用ヘルメット…学生時代に没頭したアメフトのポジションは、花形のランニングバック。思い出の一品

<ILLUSTRATION/Forever88>

― [人生でハデに転んだ男]のお部屋を訪問【1】 ―

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