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「800万円の借金返済に追われる日々」起業を夢見た女性が自己破産寸前になったワケ

―連載「沼の話を聞いてみた」― 「人の上に立ちたいから認定講師になる」 「まずは自分が儲かることだけを考えろ」 「人をどんどん利用しなさい」 ハワイのヒーリング系スクール「マナ・リラクゼーション」(仮名)でレッスンに参加していたOさんが、その主催者X先生とスクールの認定講師メンバーから聞いた言葉だ。 Oさんは起業を目指し、このスクールと認定講師契約をした30代女性。事前にオンラインで確認したレッスン内容と、現地で教わる内容の落差に唖然となったのが、前回までの話。後編となる今回は、スクールで体験したことをさらに詳しく聞いていく。 【前回の記事】⇒「800万円をドブに捨ててしまった…」ハワイの“アロマスクール”にハマった女性の後悔
ハワイアロマ202301-2a

※写真はイメージです(以下同)

「ざっくり言えば、手早く儲けることが最優先。アロマやハーブを使ったセラピーの知識そのものは、軽視されている印象です。ビジネスである以上仕方ない部分もありますが、これのどこが自然を愛する人たちなのか? と幻滅しました。レッスンは、旅行者がちょこっと楽しむレベルでしたら問題ないのかもしれませんが、基本的にはみんな、そこの講師となることへ誘導されます。なのに内容が間違いだらけで、いい加減。レッスンだけでなく、X先生のSNSでも植物の間違った情報や危険な用法を山のように見つけることができます」

指導者の知識が間違いだらけ

この部分については、ハワイの植物をよく知る、スクールとは無関係の療法家にも一緒に確認をしてもらった。すると早々に、毒性のある植物でフラワーエッセンスやオイルを作っている投稿を見つけることができた。しかも、一部は飲用しているという記述まである。それが本当なら、明らかに危険な行為である。さらに筆者の素人目にもわかる「少し似てるが実は違うと」いう、明らかに間違った植物の写真と説明も掲載されていた。 X先生が美しい花を摘んでいる投稿は、現地在住の同療法家曰く「採取が禁止されている、商業施設のボタニカルガーデンと思われます」。ハワイの自然の素晴らしさを謳うスクールの代表がこの投稿を……と考えると、Oさんの嘆きも理解できる。「ハワイ固有種」と説明されている植物が、実は別の雑草や外来種だというケースも散見された。

ハワイの伝統&文化をビジネス利用

フラワーエッセンスを「ハワイ古来の決まりに則って作っている」と説明しているものもあったが、ハワイの伝統文化にフラワーエッセンスはないため、ここはX先生独自のアレンジだろう。 ハワイアロマ202301-2b確かに「ハワイ古来のフラワーエッセンス」とは言っていないから、決して嘘ではないし、ハワイの花で作ったらそれは「ハワイのフラワーエッセンス」ではある。しかし、ハワイ古来の秘伝にフラワーエッセンスがあるのだと間違った解釈をする人もいそうである。 そもそも日本におけるハワイのイメージは、政府と企業が作り上げた観光キャンペーンによる都合のいいものであるため、「ハワイの文化をビジネスのために適当に扱っている」という点でこのスクールだけが責められることではないのかもしれない。しかし健康上ヤバそうな情報は、さすがにツッコまざるをえない。
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とにかく稼ぎを求められる講師たちの、危険なレッスン
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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