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妊婦が「風しん」にかかったら…経験者が語る、妊活前に知っておいてほしいこと

 妊活中のみなさま、「妊娠前にやっておくべきこと」って何を思い浮かべますか?  数年前に出産を終えた筆者が、そのときのために絶対!知って&やっておいてほしいと思ったことがあります。ずばりそれは「風しんワクチンを受けること」。 妊婦が「風しん」にかかったら…経験者が語る、妊活前に知っておいてほしいこと 2012年頃から再び大流行して問題になっていたので、ニュースで見た人もいるかも。  この「風しん」、妊娠中にかかると赤ちゃんの耳・目・心臓などに障がいが出る(先天性風しん症候群)可能性があるんです。  妊娠初期であればあるほど赤ちゃんが先天性風しん症候群で生まれる確率は高く、 「1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%程度」「先天性心疾患と白内障は妊娠初期3ヶ月以内の母親の感染で発生するが、難聴は初期3ヶ月のみならず、次の3ヶ月の感染でも出現する。しかも、高度難聴であることが多い」(国立感染症研究所)といわれています。  そして、1979年4月2日~1987年10月1日生まれの人は風しんワクチンの接種率が低いため特に注意が必要。もちろんこの年代以外でも、抗体が不十分な人がたくさんいます。

妊娠5ヶ月で「風しん」に……。不安な日々を経験

 実は2012年に出産した筆者も、風しんの抗体がない状態で妊娠中に風しんにかかってしまいました。そのときまだ妊娠5ヶ月。本当に青ざめました……。  実際の写真がこれ。全身に赤い発しんが出ています。
筆者が風しんに罹った時の写真

筆者が風しんに罹った時の写真です。

 成人だと重篤化する場合も多いようですが、私は倦怠感と発しんだけ。なかには発しんがなかったり軽く済んで気付かない人もいるそうです。私もこの時点では、風しんとは信じたくなくて……。  病院を受診し2度の血液検査の結果「風しん」とわかったときは、かなり動揺し、頭が真っ白に。ワクチンを受けていれば、我が子を風しんの脅威にさらさずに済んだのにと情けなく思い涙が出ました。それからは心配事が頭をよぎるばかり。  その後、調べすぎてノイローゼ気味になりつつ、風しんにかかった妊婦の相談窓口となる大きな病院に転院。私が風しんになった週数では難聴のみ出現する可能性がある・その可能性は3%程度と低いと言われました。  心配が消えたわけではありませんでしたが、いい先生方に励ましてもらい、通常より詳しい検査を加えた妊婦検診を続け、2012年の冬に出産。  そして出産翌日。先生が「一番に来たよ」と、新生児スクリーニングの聴力検査をしてくれました。「右耳……聞こえてる」。その時点でもう涙があふれます。「左耳も……大丈夫!」。心から安堵し感謝した瞬間でした。  もうじき2才になる息子は、遠くのヘリの音も私に教えてくれます。一方、私以上に心配しながら妊娠生活をし、先天性風しん症候群と向き合うことになったどこかの親子のことも、おもわずにはいられません。 「小さい頃に一回かかったから大丈夫」「ワクチン受けたことあるはずだから大丈夫」ではありません。抗体が減少したり、風しんと思っていたのが違っていたということも。妊娠をのぞむ女性は「風しん」ワクチンのことをもう一度、気に留めてみてください。 ●こちらにわかりやすくまとめてあります。筆者おすすめサイト⇒NHK NEWS WEB ストップ風しん <TEXT/ありまみほ PHOTO/Lunamarina>
ありまみほ
三十路子持ちライター。30代向けファッション誌等で執筆中のほか、別名で占い師としてもひそかに活動し現在2誌に連載中。
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