うつ病、妻の妊娠…住宅ローン破たんは誰にでも起きる
消費税が10%になる前に、家を買おうかと考えている人もいるのでは? しかし、一方で30~40代の間で住宅ローンが払えなくなる人が増えている。いったい何が起こっているのか? ふとしたことから家を失った人たちを取材してみた
派遣社員の住宅ローン破綻では、実に3割が破綻する前後にうつ病を発症しているという。結果として任意売却もできず、競売に至るケースが多いのだとか。
既に持ち家のマンションの競売が開札されてしまったという長峰孝さん(仮名・37歳/現在無職)もそのひとり。
「うつ病で失職中だと銀行は冷たい。僕の場合、3か月の滞納で担当者から連絡があり、電話で事情を話したら翌週には競売申し立てになりました。しかもその連絡はなんと留守電に入っていた。一応、任意売却業者にも相談しましたが、やっぱりうつ病で体が動かず、打ち合わせをバックレて競売になった」。
その後、自己破産した長峰さん。ローン破綻とうつ病は最悪の組み合わせだ。
無理のない設定でローンを組み、中古マンションを購入したのは出版社勤務の中田雅久さん(仮名・38歳)。にもかかわらず、彼は今崖っぷちにいる。
「’01年に築9年の中古マンションを2300万円で購入しました。そして購入10年目に、欲が出てスケルトンリフォーム(壁を壊して2間を1室に)をしたんですが、その費用約700万円を不動産を担保にノンバンクから借り入れた。すると、同じ頃妻が妊娠してしまったんです」。
住宅ローンは信金からだが、ノンバンクのほうは支払いが1か月でも遅れると矢の催促がかかる。
中田さんは今後の育児資金も考えると支払い継続は無理と判断。現在は信金側と任意売却に向けて相談しているという。
※写真はイメージです
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