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津波にのまれて大ケガ…心の傷は癒えず無気力状態の日々

仕事もない、友達も少ない、結婚相手もいない……そんなオトナが増えている。急増するSNEP(スネップ=孤立無業者)。決してヒトゴトではない「無職・独身」のリアルとは?

震災によって人生が激変 環境を変えてはみたが…

●柳本 晃さん(仮名・40歳) ・職歴:大学卒。英語検定準1級。大手電機メーカーに16年勤務 ・現在の貯蓄額:500万円  自然災害や事故を機に、人生が激変してしまう人は多いだろうが、宮城生まれで宮城育ちの柳本さんも東日本大震災で人生が大きく変わってしまった。仕事の途中、津波に巻き込まれてしまった。 津波にのまれて大ケガ…心の傷は癒えず無気力状態の日々 幸い九死に一生を得たが、両脚に後遺症が残るほどの大ケガを負ってしまった。 「営業車を運転中に地震に遭い、車で逃げようとして津波に巻き込まれてしまったんです。なんとか脱出したら今度は、津波の濁流に流されてきた車に両脚を挟まれてしまい、両脚ともに切断寸前の大ケガをしました」  大手電機メーカーの営業職だった柳本さんはこの大ケガのため1年の入院を余儀なくされた。ちょうどその頃、会社が希望退職者要員を募集していたため、これを機に自ら会社を辞めた。 「歩行の際に一生後遺症が残ると医者に言われたのをきっかけに『なんで俺ばっかり……』と自暴自棄になってしまい、家族がいるわけでもないし、すべてを捨ててまったく知らない土地へ行こうと思い、沖縄に移住しました」  現在は、那覇市内にあるアパートで生活をしているが、「知らない土地に行けば気分も変わるかと思っていましたが、いまだ何の変化もない状態」だという。 「のんびりした沖縄特有の空気を満喫していますが、将来への不安はまったくぬぐえませんし、これから一体、何をやったらいいかもわかりません」  脚の傷は少しずつ癒えてきているが、心の傷はいまだ癒やすことができずにいる……。 <PHOTO/Sabphoto> ― 「未来が見えない!」35歳以上[無職・独身者]のリアル【12】―
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