親の介護費で苦しむ人につけこむ闇金の手口とは?
消費税が10%になる前に、家を買おうかと考えている人もいるのでは? しかし、一方で30~40代の間で住宅ローンが払えなくなる人が増えている。いったい何が起こっているのか? ふとしたことから家を失った人たちを取材してみた
親の介護費が負担となって住宅ローン破綻をするケースが今後、増えると予測される。それをじっと狙っているのは裏稼業の人間だ。
「親が年老いていくと、突発的に医療費や介護施設入所金が必要になるでしょ。民間の介護保険なんて事前加入していなければ意味ないですからね。そこで介護が必要になった高齢者の子世代にお金を貸すんです。いわゆるリバースモーゲージ型って呼んでる」(都内の闇金幹部)
リバースモーゲージとは、住宅を担保に融資をし続け、最終的に居住者が亡くなったときに元本+利息を一括返済するか、担保となる住宅を売って返済に充てるというもの。高齢者の住宅ローンが終わっており、かつ年金収入や預金がない場合、子ども世代からすれば、これは闇金を介した「相続の先渡し」となる。それを介護費用に充てさせるというプランなのだ。
「親が死んだら、追い込みかけてその物件を即、回収する。親の死にどきをちゃんと予測できれば、かなり濡れ手で粟なビジネス。規模の大きい闇金では、どこもこのプランを実行しつつあるよ」(同)
法外に高い利息なので、子どもも家を手放さざるを得ない。かなり凶悪な手口だといえよう。
<取材・文/鈴木大介 奥窪優木>
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