こんな紅白歌合戦なら見てみたい【妄想出場メンバー】
今年も紅白出場歌手発表の時期がやってきました。毎年フレッシュな初出場組や大物アーティストのサプライズ出演が話題になりますが、今年はどんな顔ぶれになるのでしょうか。
⇒【画像】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=162204
まず紅組のトップバッターは、トリニダード・トバゴ出身のラッパー、ニッキー・ミナージュにお願いしましょう。曲は「Anaconda」。このタイトルの曲をデカいケツの女性ラッパーが歌うとなると、その意味はただ一つ。男性のナニです。豊満なケツに反応してのたうちまわってしまうナニを大蛇に見立てているのですね。まさしくブラインド・レモン・ジェファーソン「Black snake moan」の現代版。冬将軍も真っ青の寒波がお茶の間を襲うはずです。
⇒【YouTube】Nicki Minaj – Anaconda http://youtu.be/LDZX4ooRsWs
これほどのインパクトを迎え撃つ白組は大変です。ここはいまや日本を代表するロックバンドとなったSEKAI NO OWARIしかいません。曲はもちろん「Dragon night」。
<終わりが来ないような戦いも今宵は休戦して祝杯をあげる
(中略)
コングラッチュレイション、グラッチュレイション、グラッチュレイション
今宵、僕たちの戦いは「終わる」んだ>
これをロシアとウクライナの国境付近から衛星中継で歌ってもらいましょう。展開次第ではSEKAI NO OWARI ミーツ 世界の終わりなんていうオシャレなことになるかもしれません。
こうして新しい才能とともに景気よくスタートすれば、もうしめたもの。中堅ベテランどころが番組の前半、中盤を温めたところで、紅白全体のトリで桃組がド派手に一年を締めくくる。エルトン・ジョン大姐御、k.d.ラング兄貴による「The bitch is back」の豪華共演。
93年に発表されたエルトンのデュエットアルバムでも「Teardrops」(オリジナルはウォマック&ウォマック)の素晴らしいカバーを披露した二人が、いまだに男女で色分けする愚かさに喝を入れつつ、それでもええじゃないかええじゃないかと大団円。
<ゴールデンボンバーにやってほしい世界一ヘタなバンド、ザ・シャッグス>
⇒【YouTube】The Shaggs – Yesterday Once More http://youtu.be/3BkUFmjz-Ek
しかし問題は、総合司会に適任者が見当たらないこと。クリス・ロックと言いたいところですが、やはり言語の壁は厚い。ここはなんとかビートたけしにドーピングして一日だけでも復活していただきたいところです。
<K-POP枠・白組の何と読むかわからない曲>
⇒【YouTube】기린 – 지겨워 http://youtu.be/Uu-fHb4yGR4
<TEXT/音楽批評・石黒隆之>
と、毎年心躍らせて楽しみにするものの、実際に出場歌手のリストを見ると「え、なんでこれが……」と思ってしまうものもちらほら。
そんな停滞感を払しょくすべく、何か起爆剤が欲しいところ。かつて大晦日を賑わせていた総合格闘技も消え失せた今、その猥雑なお祭り感を託せるのはもはや紅白のステージしかないのではないか。しかしこの国民的イベントも年々スケールダウンしていってるような気がしてなりません。でも、やりようによってはまだ復活の余地あり。
というわけで、「こんな紅白なら観たいかもしれない」。そのほんの一例です。
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4