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若手俳優が“戦隊モノ”に!? 「新春浅草歌舞伎」が開催中

新春浅草歌舞伎「これはなんだ!?」と初めて目にした誰もがそんな印象を受けそうな、強烈なインパクト。そう、実はこれ、正月恒例となっている「新春浅草歌舞伎」のポスターなんです。  浅草の街だけでなく、山手線のホームなどいたるところに貼られていたので、きっと目にした人も多いはず。「新春浅草歌舞伎」は、1月2日から26日まで、東京・浅草公会堂で開催されています。  今年の出演者には、尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村児太郎といった、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優がズラリ。“若手歌舞伎俳優の登竜門”として今年で35周年を迎え、今では正月の風物詩として、地元の人にも広く親しまれているんだとか。  “戦隊モノ”のようなポスターに思わず心を奪われ、初めて歌舞伎を観に行った筆者がその一部の見どころを紹介します。

歌舞伎初心者の入口にもオススメ

 まず最初は二人の花形俳優によって、“お年玉”と呼ばれる年始の挨拶があります。これがすごくおもしろい。歌舞伎の仰々しい挨拶から「さてさて、みなさん」といった調子で雰囲気をガラリと変え、「それでさ~」「~なんだよね」なんてフランクな口調でトークを展開していきます。ここで歌舞伎に対するイメージもガラっと変わって、「役者も普通の若者なんだな」と親近感を持つことができるはず。  上演日によって毎回トークの組み合わせが変わるので、何度観ても楽しめるでしょう。「歌舞伎」と言うと、仰々しい挨拶や難しい言葉づかいでなんだかとっつきにくい……なんて先入観もありますが、ここでは役者の素顔を垣間見ることができます。  第1部では『春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)』『一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』『独楽売(こまうり)』という演目が、第2部では『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』、『猩々(しょうじょう)』、『俄獅子(にわかじし)』という演目が上演されます。どちらの部でも、ほとんど台詞のない演目が上演されるので、誰でも目で見て楽しむことができると思います。 「歌舞伎って、リタイア世代の娯楽でしょ~」なんて思っていたら、会場には若い男女の姿もちらほら。浅草名物のお弁当が売っているので、幕間に食事を楽しむこともできます。筆者自身、歌舞伎をちゃんと観たのは初めてだったので、正直、内容がわからなくなってしまうことも……。それでもじっくり鑑賞しているうちに少しずつ話がわかるようになってきて、終わってみると晴れ晴れした気持ちになりました。  2013年4月には銀座の歌舞伎座もリニューアルして、今まさに歌舞伎は生まれ変わりの時期。初めて歌舞伎を観てみるなら、今がチャンスかもしれません。 ●新春浅草歌舞伎 日時:1月2日(金)~26日(月) 会場:東京・浅草公会堂 http://www.asakusakabuki.com/ <TEXT/北村篤裕>
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