なぜ『花燃ゆ』に登場しない?松陰のもう一人の妹・千代は強烈だった

 吉田松陰の妹、文(井上真央)を主人公に繰り広げられる大河ドラマ『花燃ゆ』。同じく松陰の妹、寿を優香が演じています。ですが、実はドラマに登場していない妹がいたのをご存じでしょうか。

ドラマには登場しない妹・千代は、切腹の介錯を?



 大河ドラマ制作関係者が萩市を訪れた際、商工観光部の担当者にも、女性で主人公にできる人はいないかと聞いたそうです。高杉晋作の妻や伊藤博文の妻という話が出たらしいのですが、「吉田松陰はどうですか?」とドラマ制作者から聞かれ、松陰に3人の妹がいると説明したとか(4人いたのですが1人は早く亡くなりました)。

 そして、長姉・千代の壮絶なエピソードが残る場所に案内したといいます。

杉千代

松陰と一番年が近く仲がよかった妹・千代

 千代と聞いて「誰?」と思う人は多いはず。なぜか千代は、ドラマには出てきていません。しかし、松陰より2つ下の千代は松陰とも仲が良く、千代に宛てられた松陰の書簡は多く残っているようです(文に宛てられたものがほとんど残っていない中で……)。

 また、千代は93歳まで生きていて、松陰の兄弟姉妹の中でも最も長生きしています。だから、一家の顛末を一番よく知る人物なんですね。

 そんな彼女はさまざまな回顧談を残しているのですが、奥田瑛二演じる松陰の叔父・玉木文之進が自決して果てた現場に立ち会ったという話も残っています。明治9年、松下村塾の塾生だった前原一誠が、明治政府に対する不満を爆発させて萩の乱を起こします。この戦いで文之進の教えを受けた若者が多く死傷。千代によると、文之進はその責任をとる形で切腹すると語ったといいます。

「玉木氏は自刃と決心し之れを刀自(千代)に語る。刀自も亦之れを止めず、後顧の慮を抱かずして潔ぎよく責任をとらんことをすすむ」

 つまり、千代も切腹することを文之進に勧めたわけです。切腹するために先祖の墓前に向かう文之進に千代は従い、また文之進の妹と嫁の2人も遅れて墓前に向かうのですが、結局2人は戻り千代だけが居残って自決を見届けたそうです。

姉妹のなかで一番インパクトがない文



 なお、昭和18年刊行の斉藤鹿三郎著『吉田松陰正史』(第一公論社)では、千代が文之進の介錯を務めたと語ったとされています。商工観光部の担当者はドラマ制作関係者を、その場所に案内したようです。

 介錯を務めたという真偽は定かではないのですが、いずれにしても、千代も寿に負けず劣らず気丈な人物。そして、手紙のやりとりから、歳の離れた文よりもよほど松陰と気心が知れていた様子がうかがえるようです。ドラマでは文が松陰のことをいつも心配し、家族の中で一番仲がよいかのように見えますが、そんな主人公を立てるためにも千代の存在を消しておきたかったのかもしれません。

 強烈なインパクトがある長女・千代と次女・寿。確かに、文もかの久坂玄瑞と結婚してたった7年で死に別れ、40歳を過ぎて亡くなった姉の夫に嫁ぐというドラマチックな人生を送っています。あくまでドラマなので忠実に再現する必要はもちろんありませんが、盛り過ぎて見ていて恥ずかしくなるようなメロドラマにならないことを祈っています。

<参考文献>
・吉川綾子『吉田松陰の母』(泰山房、1941年)
・『SAPIO (サピオ) 』2014年2月号(小学館)
・一坂太郎『吉田松陰とその家族 兄を信じた妹たち』(中央公論新社、2014年)

<TEXT/佐藤来未(Office Ti+)>

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