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なぜ、年下女性ばかり狙う男性にロクな人がいないのか?

 40代50代と自分は歳を重ねているにもかかわらず、やたらアラサー世代以下の女性ばかりをターゲットにしている男性、周りにいませんか?  確かに「男はみんな若い女が好き」「20代が肉体的ピークなのだから、その年齢に人気が集中するのは当たり前」のように世間で言われているのは事実です。ただ、仮に生物学的にそのような傾向が男性にあったとしても、日本人男性はロリコン傾向がかなり顕著で、アラサー世代以下の女性に人気が偏り過ぎているように思います。 「年齢関係無く、魅力的な人は魅力的だと思う。今の相手は20代前半だけど、自分より何歳も年上の方が相手の時も普通にあるし、たまたまです」という人ならば全く問題は無いかと思いますが、アラサー世代以下の女性“のみ”を狙う中年以上の男性は明らかに問題があると思うのです。彼らは自分も年を取っているのに、そのことは完全に無視。同年代を「おばさん」だと思いこみ、「女性=アラサー世代以下の女性」だと思い込んでいる節があります。  でも、なぜ彼らはこのようにアラサー世代以下の女性ばかりをターゲットにするのでしょうか? それには大まかに2つの理由があると思います。  1つ目は男のプライド。思い出して頂きたいのですが、小学生から中学生にかけて、異性に対して興味を持ち始めた頃、男子はみんな年上の有名人が好きだったはずです。たとえば、私の世代(30代前半)だと広末涼子さんなどを好きな人が多かったのですが、基本的に彼女たちはみんな私よりも年上くらいの世代です。  ところが、多くの男性が成長過程で男のプライドという「ガン」を大きくしてしまう。弱い自分を過剰に防衛し始めて、自分より年齢・社会的地位・年収・学歴が上の女性を、女性と見ないようにしてしまうのです。このようにして、男のプライドを守るために、様々な面において自分より「下」である可能性が高い、年下しか狙わなくなって行くのです。ネットで「そういう男性は、みんなゲームで次の面に進んでいるのに、一人だけ前の面に残ったままザコ敵相手にしているようなもの」と言っている人がいたのですが、まさにその通りかと思います。  2つ目は関係作りが簡単だから。男性にとって、同年代を相手にするより、年下を相手にしたほうがずっと「楽」です。たとえば曲に合わせたダンスを2人でしようという時に、自分たちで振りを考案してオリジナルダンスを踊るより、あらかじめ用意された振りつけを覚えて踊ったほうが楽ですよね。また、コピーバンドがコンサートやライブをする時だって、変に自分たちでアドリブを入れ込むより、原曲通りのパフォーマンスにしてしまったほうが楽ですよね。  これらと同様に、「年上と年下の関係」という役に当てはめてしまえば、期待することと期待されることが明白になっているために、とても関係作りが楽になります。つまり、年下ばかり狙う男性は、楽をすることを重視しているナマケモノの可能性が高いのです。  それに比べて対等な関係で付き合おうとしたら、役割も決まっていないため、何度も何度もコミュニケーションを繰り返しながら、利害調整を繰り返しながら、トライアンドエラーを繰り返しながら、お互いの最適解を見つけていかなければなりません。でも本当はそこにこそ分かり合える男女の関係が待っているのではないでしょうか?  ですが、これは女性側にも同じことが言えます。年上の男性好きという人はかなりいるかと思いますが、年上男性とばかりお付き合いしていると高まるリスクもあるのです。  確かに男性は女性に比べて精神年齢が低い人が多いのは事実なので、「同い年くらいはみんな子供!」と思って、年上に向かう気持ちはとても理解できます。ところが、年上ばかりと付き合っていると役割が固定化されてしまっているために、相手と様々なコミュニケーションを取りながら利害調整をする能力が育ちにくい。そんな中で、ようやく男性の精神年齢も多少は大人になってきた人が増えてきた時に、同年代の男性と切磋琢磨して利害調整能力を磨いてきた同世代の他の女性よりも、利害調整能力という大事なコミュニケーション能力の面で不利になってしまう可能性は高いと思うのです。  また、今までチヤホヤした男性たちは、年齢が若いからチヤホヤしたのであって、女性が年齢を重ねればより若い女性にシフトして行くだけ。こうなっては年上とも同世代とも上手く行かなくなってしまいます。  ですので、是非面倒だと思っても、今から同世代と切磋琢磨することを取り組み続けて欲しいなと思うのです。
勝部元気

話題の映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を観に有楽町に行ってきました(勝部)

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気氏】 コラムニスト。ジェンダー論、現代社会論、コミュニケーションを切り口にした男女関係論が専門。男性でありながら子宮頸がんワクチンを接種。『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。

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