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死後の世界はある?最後のイタコ(41歳)に聞く

 ドラマ『あまちゃん』が大ヒットしていますが、海女よりも人口が少なく、もっと“絶滅危惧種”となっているのが「イタコ」。イタコって、そう、あの恐山のイタコです! 亡き人のメッセージを伝える「口寄せ」をしている姿が思い浮かぶのではないでしょうか。  明治初期には300人前後のイタコが青森県内にいたそうで、昭和40年代までには各町内に一人はイタコが住んでいたというほど、身近な存在だったそうです。そこで現役イタコによる初めての本『最後のイタコ』を出版し、自らの数奇な半生とイタコの世界について綴った松田広子さんにお話を聞いてみました。

“普通の女性”がイタコになったわけ

松田広子

亡き人の声を伝える“口寄せ”中の松田さん

 松田さんは現在41歳。最年少ゆえ、「最後のイタコ」と呼ばれています。プライベートでは2児の母。スラリとしてクールな雰囲気の松田さんは、イタコの衣装を着ていないと普通のアラフォー女性にしか見えません……。本当にイタコなんですか? そして、なんでイタコの世界へ入ったのでしょうか?? 「幼少時、体が弱かった私は頻繁に原因不明の熱を出して保育園を中退するほど。それで困り果てた親がイタコ(後の師匠・林ませさん)のところに私を連れて行ったんですね。当時、病気や悩み事をイタコに相談に行くというのは珍しいことではありませんでした。それでイタコにお祓いをしてもらうと不思議に熱が下がったのです。それから大きな病気にかかり、医者には『もう無理』と見捨てられた状態でしたが、師匠のお祓いや祈祷で楽になっていきました」  当時、人気イタコだった林さんの元には毎日20~30人の相談者が訪れていたそうです。松田さんはそんな師匠の姿に憧れを抱くようになり、中学校を卒業後に弟子入り志願。 「平日はヤンキー(学校に通学)で、週末はイタコ(修行の身)でした(笑)」  一人前のイタコになるために、松田さんはちょっとヤンチャな学校に通いながらも熱心に修行を行い、高校卒業後の19歳の時、晴れて師匠に認められて恐山デビューを果たしました。
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亡くなった人の思いを伝える「口寄せ」
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