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海、キャンプ、ぼっち部屋…それぞれの夏に聴きたいシャレた曲7選

 梅雨が明けたそばから、連日の猛暑日。すでに夏真っ盛りといった様子ですが、これから休みに向けて計画を立てている人もいるのでは? というわけで、何かとイベントの多いこの季節にフィットしそうな音楽を、シチュエーションごとに紹介しましょう。 夏 まず、何といっても海。早朝の太陽に照らされた水面に、テンションも跳ね上がる。たとえば、葉山から逗子へ続くトンネルを抜けると目にする光景のような。そこにトリー・ケリーの「Nobody Love」が流れていたらグッときそうです。この6月にリリースしたデビューアルバムからのヒットシングル。さすがカリフォルニア生まれ。心地よく乾いた多幸感が耳になじむ、見事なポップスです。 ⇒【YouTube】Tori Kelly – Nobody Love (Official) http://youtu.be/MPX3qz1ve7M  一方で、「いや、ちょっと涼しいところへ逃げますわ」という人もいるでしょう。マイナスイオンたっぷりの高地で避暑も、楽しみ方ですね。デイヴィッド・グレイの「Jackdaw」はどうでしょう。R.E.M.の名曲「Nightswimming」によく似たピアノが印象的ですが、やはりどこかにイギリスとアメリカの風土の違いを感じるのです。湿度のせいなのでしょうか。日本の緑には、デイヴィッド・グレイの方が合うような気がします。 ⇒【YouTube】David Gray – Jackdaw (Official Audio) http://youtu.be/3-I_ccRpwCI  しかし街中にも、この時期独特の香りが漂うもの。特に深夜の、熱気と埃と蒸気が入り混じった匂いに、妖艶な夏が立ち上る。そんな中をドライブしてみるのも、また一興。現実から離脱したような気怠さに時間も忘れてしまう、The Internetの「Girl」がうってつけ。半径5キロ以内でも旅は成立するのかもしれません。 ⇒【YouTube】David Gray – Jackdaw (Official Audio) http://youtu.be/zmY8mG4_3j4  とは言っても、せっかくの休みなのだから、家族や友だちと大勢でワイワイやりたい。となると定番はキャンプ。近年のアウトドアブームから、色々と便利なグッズもあるようですが、せめて気分だけでも自然に囲まれる不便さを演出できないものか。ここは思い切り時代をさかのぼってみましょう。主に1920年代に活躍したバンジョー弾き、アンクル・デイヴ・メイコンの「Way Down The Old Plank Road」。粗末さの中にある豊潤が、一音ごとに弾ける歌と演奏です。 https://www.youtube.com/watch?v=Dqjl8Q61bA8  そしてキャンプといえば、欠かせないのがバーベキュー。ここはためらうことなく豪勢な音楽で食事の楽しみを盛り立てたいところ。ルイ・プリマの「Buona Sera」で決まりです。香ばしく焼かれた肉の匂いと、色とりどりのアルコール。せせこましさへの、おおらかな反抗と言っては少し気障でしょうか。 ⇒【YouTube】Louis Prima – Buena Sera – JazzAndBluesExperience http://youtu.be/mt4aXXmwoaQ  さて困ったことに、家族もいなければ友だちもいない。第一、暑すぎて何もする気が起きない。ただただ、ぐだぐだとしていたい。そんな人は、ドーン・ペンの「No, No No」でも聴きながら、日が暮れるのを待ちましょう。いっしょにラムコークでも飲んでいれば、それはそれで素敵な夏になりそうです。 ⇒【YouTube】Dawn Penn – No, No No (Official Video) http://youtu.be/j4vjVetZPpM  そうこうしているうちに、お盆も過ぎ、「ああ、今年の夏もやっぱり何もなかった」となってしまったら。夜も深まったころ、エアコンを消して、窓を開け、小さな音量でアレハンドロ・エスコヴェードの「Pissed Off 2AM」を流してみましょう。勝手に滲んで、季節外れの朧月夜が楽しめるかもしれません。 https://www.youtube.com/watch?v=VkWUkg-Lvpo <TEXT/音楽批評・石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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