「家を買って子供を私立に」。この“夢”が地獄の入り口だった
さまざまな現実がドッと押し寄せる40代。いま、40代で生活が破綻して「貧困」に陥る人が増えているという。リストラや病気などに見舞われたときに、家計が破たんしてしまう2大原因は、実は「住宅ローンと教育費」だというのだ。
「夢のマイホーム購入」こそが、家計破綻の序章になっているケースが少なくない。
「40歳を過ぎて困窮に陥った男性」100人(全国の41~49歳)にアンケートを取ったところ、“子持ち既婚者”の約3割が「住宅ローンを組んで家を購入した経験がある」と回答。そのうち、ほとんどの人が「借入額の設定は、そのとき借りられる最大の額」で、「毎月の住宅ローン返済額は収入の3分の1以上」だと答えている。
また、「マイホームは当然持つべきものだと思っていた」という、“なんとなく”の理由で買った人がほとんどだった。
ところが、「将来の安定を求めてマンションを買ったが、転職がうまくいかず、ローン返済が苦しい」(43歳・介護士)のような声が続出。何がいけなかったのだろうか?
ファイナンシャルプランナー・藤川太氏によると「住宅ローンの年間返済額の目安は年収の2割以下」だ。それなのに多くの人が、年収が上がる前提で、もっと多額のローンを組んでしまう。もし年収が下がれば、破綻への道をまっしぐらだ。
「無理な住宅ローンを組む人ほど、家を手放したがらない傾向がありますね。一度手放したらもう二度と手に入らないと思うから無理してしまうのです」(藤川さん)
支払い方法として「ボーナス払い」を設定している人も要注意。このご時世では、いつボーナスが減らされても、最悪なくなっても不思議はない。
「家を買うときは、必ず、収入が上がらない前提で買ってください」(同)
一方、教育費も家計を圧迫する大きな要因。「40歳を過ぎて困窮に陥った男性」アンケートでは、既婚子持ち男性のほぼ全員が「子供の教育費に思っていた以上のお金がかかっている」と回答。
藤川氏によると、そもそも教育費は「子供ではなく、親の問題。かかるものではなく、かけてしまうものなんです」と指摘する。
「私立に行くのが当たり前」という地域に住んでいれば、子供も私立に行きたがるし、親も行かせたくなる。そして、私立校で「ママ友と生活レベルを合わせたい」なんて思いはじめると、お迎えファッションからランチまで、“子供のため”ではないものにバカみたいにお金がかかる。
「『人生で最も無駄だった支出は?』と聞くと、『教育費』と答える方が非常に多いです」(藤川氏)
こうした問題を避けるには、将来設計をどうするかを夫婦でよく話し合うことが不可欠だという。
「お金が貯まる世帯は夫婦仲がいいですよ。普段からきちんと話し合っているからでしょうね」(同)
収入はいつ減るかわからない。一方、住宅ローンや教育費は、固定した支出になってしまう。「本当にマイホームや私立は必要なのか?」と、よくよく考えるべきなのだ。
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