ここでヤる!? 賛否両論の映画『進撃の巨人』を原作ファンが観に行ってみた
全世界で、単行本累計発行部数が5000万部を超える大人気漫画『進撃の巨人』。これを実写映画化した『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』が8月1日に公開を迎えました。
ざっくりストーリーを紹介すると、人間を食べまくる巨人たちと、それに立ち向かう人類との戦いを描いたファンタジー作品。なす術がない人間たちが巨人に食べられるグロテスクな描写もさることながら、巨人に復讐心を燃やす主人公・エレン、男子をも凌ぐ強靭な腹筋を持つ少女・ミカサなど、魅力的なキャラクターや緻密なストーリー展開によって、多くのファンを獲得しています。
公開初日、劇場内は満員で男女比は6:4といったところ。ウワサに違わず、男女ともに注目度が高いんですね。きっと血しぶきが噴射したり、足がちぎれたりとか、ちょっとこわいはず! なんて考えていると、ついに本編がはじまりました。
原作では主要登場人物のエレン、ミカサ、アルミンの幼少期から物語がはじまりますが、映画版ではすでに全員大人。巨人の侵攻を阻むために作られた、壁の中のシーンからスタートしました。
公開前からなにかと話題になっていましたが、やはり原作を読んでいる人ならば「それでこの先の展開大丈夫なの?」と感じる変更点がたくさん。なんでも、今回の映画化にあたって原作者の諫山先生が出した要望は、「あえて原作漫画の設定の縛りを外すこと」だったとか。
キャストが発表されたときから「全員日本人じゃん!!」というツッコミは済ませていますから(原作は外国人)、細かいことを気にするのは野暮ってもんです。それを踏まえたうえで、気になったところをいくつか挙げてみました。
⇒【YouTube】『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』予告編 http://youtu.be/2X0i4gnbBOA
http://youtu.be/2X0i4gnbBOA
上映開始から数分。いよいよ、超大型巨人が壁を破壊しにやってきました。
デカい! 雄叫びもデカい!大迫力……! そして、超大型巨人が開けた穴から、あっという間に巨人の群れが壁の中に入ってきて、人間が喰われまくります。まるで手羽先を食べるようにバリバリと喰らっていました。さすがです!
進撃の巨人の見どころのひとつといえば、エレンたちが使う対巨人用兵装の「立体機動装置」。建物の間を縦横無尽に駆け巡りながら、ブレードで巨人を倒すイメージだったのですが、想像していたよりも動きが重たかったような……。これが実写の限界なのでしょうか?
長谷川博己が演じた映画オリジナルキャラで、人類最強の「シキシマ」。冷徹で無愛想な原作の人気キャラ、「リヴァイ兵長」を思わせる設定ですが、まったく違いました!
よく喋るうえに、あふれるキザ感。とくに印象的だったのは、シキシマがリンゴをかじりながらセリフを言うシーン。驚くほど衝撃的なキザセリフのために、映画館に行く価値があるかもしれません。
⇒【YouTube】『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』プロモーション映像 http://youtu.be/swpaOrubkT0
人類は生命の危機を感じると種の保存のために性欲が増す、という話を小耳に挟んだことがあります。真偽の程は不明ですが、調査兵団のみなさんも巨人がいつ現れるかわからない極限状態の中で、あるキャラの性欲が高まっちゃった展開には驚きました。
大丈夫? ホントにここでヤっちゃうの? と、思った瞬間、大丈夫じゃなかったんです。「お願いだからソコではじめないでほしい」と思った観客は筆者だけではなかったはず。
紆余曲折を経て、ファンにはお馴染みのクライマックスが! 詳細は伏せますが、原作を読んでいない方にとっては衝撃的なラストのはず。少々説明不足な感じは否めませんが、個人的には60点というところでした。
なにはともあれ、今回は前編! きっと後編では、伏線の回収もしてくれるに違いない! 立体機動装置の動きも俊敏になっているはず!
上映後、近くにいた女性たちが「グロかった~。これR15くらいにしたほうがよくない?」と話していましたが、捕食シーンでは画面がやや暗くなっていたので、「思ったほど」というのが筆者の感想(原作を読みすぎて、耐性がついているのかもしれませんが…)。
そういった面では、やはり人を選ぶ作品なのかもしれません。
※『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』公式サイト
http://www.shingeki-seyo.com
全国で公開中
<TEXT/谷口京子(清談社)(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会>
ご多分に漏れず、筆者も新刊が待ち遠しい一人。そこでさっそく『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を鑑賞してきました!