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30歳過ぎたら“女子”から“淑女”へ…って焦る必要ある?【アラサー女子の哲学入門】

【アラサー女子は哲学者である 第6回】  女子から淑女への脱皮。何歳まで女子で何歳から淑女、という具体的な線引きはありませんが「そろそろ淑女意識を持たなくてはいけないな」と自分を戒めだすのが30歳あたりではないでしょうか。 淑女「脱皮できない蛇は死ぬ」というニーチェの言葉があります。  これは、新しい考え方を取り入れられない人は、衰退していくという意味ですが、まさにこの“脱皮”タイミングの一つにアラサー世代があるのではないかと私は考えます。  女子として「いまが輝いてたらいいもんっ☆」と、やや衝動的に行動していた“キラキラ女子期”から、「子供とか結婚とか将来のことを見据えてきちんとするべきだわ」と落ち着きをみせる“しっとり淑女期”への脱皮が上手くできない、どうシフトチェンジしていけばいいのかわからないけど、「変わらないとヤバイ」という危機感をどこからか感じている…という状態です。

成長というより拘束?

 私の周りを見ていると、淑女に脱皮していないアラサー女子たちは、いわゆるお嬢様や、20代のころに貧困などの特別な苦労がなく、「自分のやりたいように仕事や恋愛を楽しむぞ!」とわりと自由な発想をもった女性が多いように感じます。  自由に生きてきた女性は、実家が裕福だったり、お金持ちの恋人がいたり、人から可愛がられる世渡り上手なタイプだったりする人が多い気がします。  つまり将来を見据えた計画的な行動をとらなくても、なんとなく生きてこられたタイプが多いのではないでしょうか。  そういったタイプの女性がアラサーとなり「計画的に、堅実にものを考えられる淑女にならなくては!」と自分を変えようとするのは、もはや成長というよりも、全くの赤の他人になること。  自分にはない価値観をいきなり重視しはじめ、“淑女という名の拘束具”を自分にはめようとしだす行為なのではないかな、と私は考えます。

「淑女にならなきゃ」という先入観から脱皮する

原田まりる

淑女ってこういうことかな?いやこれは場末かな?(原田まりる)

 自分を変える、成長に目を向けるのは素晴らしいことです。でも、「○○しなきゃいけない!」と自分にはない価値観をいきなり信奉しはじめるのは、結果的に人生を制約して、自由をなくしてしまうことに繋がるのではないでしょうか。 ニーチェは他にも「人生に意味などない」と言っていて、これは「無意味だから、なにをやっても無駄なんだ…」といった悲観的な意味ではなく、「人生に意味を求めすぎずに、自由に生きようぜ」的な意味です。  人生に意味がないのであれば、どう生きるのも、自分の自由です。逆にいえば、人生にどんな意味を見出すか、どんな意味をもって生きるかも、個人の自由です。  脱皮タイミングで悩んでいたら、「女子から淑女にならなきゃ!」という脱皮ではなく、「もういい年だし淑女っぽく落ち着かなきゃいけない」という先入観から脱皮してみるのもいいかもしれませんね。  私も先日「淑女にならなきゃ感」からの脱皮として、髪色を茶から緑に変えてみました。ゆくゆくは“志茂田景樹”系淑女を目指していこうかと思います。 <TEXT/原田まりる> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【プロフィール】 85年生まれ。京都市出身。作家・哲学ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。元レースクイーン。男装ユニット「風男塾」の元メンバー。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。ホームページ(https://haradamariru.amebaownd.com/
原田まりる
85年生まれ。京都市出身。作家・哲学ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。元レースクイーン。男装ユニット「風男塾」の元メンバー。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。 原田まりる オフィシャルサイト⇒ https://haradamariru.amebaownd.com/
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