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引く女と攻める女、勝つのはどっち?自称・恋愛マスターの失敗

 恋愛に勝つためのセオリーが書かれた「恋愛指南本」。そこには数々のテクニックが記載されていますが、テクニックを持った者同士がライバルになった場合は? 自称・恋愛策士の麻衣さん(仮名・26歳)がその経験を語ってくれた。

三角関係から奪い取った彼。全てが計算通り…のはずが?

三角関係 麻衣さんと彼は友人の紹介で知り合い、長い間友人関係だった。「10年くらい付き合ってる彼女がいることは知ってたんですけど、実は密かに狙ってたんですよね」  10年の付き合いの彼女…普通だったらひるんでしまいそうだが、麻衣さんは違う。実は麻衣さん、ライフワークは恋愛指南本を読むことだという、自称・恋愛策士。「長い付き合いにこそ、ほころびがあるんです。そこにさりげなく入っていくのがコツ」と麻衣さん。  偶然を装い彼と飲みに行き、束縛が強く激情型だという彼女の愚痴を親身に聞く。そして彼女を悪く言わず心を開かせ、ボディタッチを交えて浮気心に火をつける。そしてホテルに向かうものの、寸前で『やっぱり彼女がいる人とは無理。私待ってるからね』と拒否する。「きっかけを作るのは、『寸止めして放置』が一番なんです」と麻衣さん。  案の定しばらく放置していると、彼女との関係を清算した彼から告白され、付き合うことになったという。ところが……。

一枚上手だった、元カノの戦略

「彼女の感情の起伏が激しいことはわかってたので、平穏に交際できるとは思ってませんでした。恨みつらみをつづったLINEが届くとか、家に襲撃にくるとか、きっとあるだろうな、って」  “男性は追いかけられると冷めていく”というのが持論である麻衣さんは、むしろそれを期待していた。初めてのデートの日、彼は明らかにビクビクしていたそう。 「『実は前の彼女が今自分の部屋に来ていて、持ち物を整理してるんだけど…多分暴れてると思うんだよね。前にもそれで服を水浸しにされたことがあって』って言ったんです。心の中で『よし!』って叫びましたね」  これで二人の関係は完全に終わる。なんとしてもその場に立ち会いたいと思った麻衣さんは『もしそうなってたら私の責任でもあるんだから、一緒に片づけさせてほしい』と一緒に部屋に向かった。  覚悟して部屋に入った二人は驚く。なんとちりひとつ落ちていない、掃除が行き届いた状態だった。さらに驚いたことに以前けんかした時に彼女が破いた壁紙まで、きれいに修復されていたそう。テーブルの上には『今までどうもありがとう。幸せでした』という手紙が。 「その時はっきりわかりました。彼女も策士だって。引くことで彼を引きとめようとしていたんです」

自称・恋愛マスターがライバルの策にはまり…

 それから彼の様子はどんどんおかしくなっていく。いつもはおっとりしている彼が携帯が鳴った時だけ、はっとして急いで確認する。彼女からの連絡を待っているかのような様子にいらいらし、自分のペースを崩しかけていた麻衣さん。それでも二人で接触されるのが怖くて、仕事の時以外は彼にべったりくっついていたそう。  しかし付き合い始めて一週間、決定的な事件が起こる。 「彼と部屋に戻ってきたときに、ポストを開けたら一枚の写真が出てきて。高校生の頃の彼と彼女の写真だったんです。多分彼女が入れたんでしょうね。それを見た瞬間に彼が泣き出しちゃったんです」 『ごめん、今日は帰ってくれる? 少し頭を整理したい』と彼。その言葉にため込んだものが溢れてきてしまった麻衣さん。 「切れちゃったんです。『帰らない! 整理って何!? あんな女の作戦にのって!! あんたは私と付き合うの!!』って」  なんと麻衣さんは皿を投げつけたり、テーブルをひっくり返したり大暴れしてしまったそう。最初は唖然と見ていた彼だったが、麻衣さんを止めながらこう言い放ったという。 「ふざけんな! お前のせいでこうなったんだろ!! 俺達は幸せだったのに!! あいつのことを悪く言うな!!」  部屋を追い出された麻衣さん。次の日から音信不通になり二人の関係は終わってしまった。友人の話によると彼女とよりを戻してしまったそう。 「単なる激情型だと思ってた彼女が私以上の策士だったことが悔しくて悔しくて……あそこでキレなかったら振られなかったんじゃないかって毎日考えちゃうんです」と麻衣さん。  策士同士の争いは引く女・元彼女に軍配が。作戦以上に必要なのは冷静な心なのかもしれません。 <TEXT/真山まき PHOTO/Paulus Rusyanto>
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