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ナンパ師を丸裸にしたらやはりロクでもなかった

 あなたはいかにもナンパ師という男に声をかけられたことはありますか? その時、怖い体験や不快な体験をしたことはありませんか?  近年、迷惑防止条例の改正によって路上でのキャッチセールスを禁止する自治体が増えてきましたが、キャッチセールス以上にナンパのほうが恐怖感や不快感を抱く女性も多いように感じています。実際、私が話を聞いて回った中でも、ナンパのほうが恐怖・不快と回答した女性が多数派のように感じました。とりわけ年齢が下るほど次第に増えて行く印象です。  中には「ナンパくらい別に良いじゃん」と思う女性もたくさんいます。でもセクハラのように、恐怖・不快に感じるラインは人それぞれです。自分の価値観が大丈夫でも、他の人の価値観は大丈夫じゃない場合も多々あります。  ナンパを「女性として見られているバロメーター」だと見る考えもありますが、それは必ずしも正解ではありません。というのも、日本のナンパ師たちの行動を見れば一目瞭然ですが、彼らは女性として見ている(女性として素敵だ)から声をかけているわけではないからです。ナンパ師はあくまで「狩り」が目的です。通常捕食者が獲物を襲う場合、狙うのは捕食確率が高い個体であるように、ナンパ師もまた捕食しやすい獲物(自己肯定が低めで自分の意見をハッキリと言えない人)を狙う傾向にあるのです。  また、近年、自己啓発でナンパをすることが流行っている他、一部では過激化するなど、ナンパをとりまく状況は一昔前より一変しています。  このような背景から、私は署名サイト「change.org」で路上での「ナンパ禁止条例」を提案しました。その時、ナンパ師たちから猛反発に遭い、ナンパを正当化する持論をたくさん投げつけられました。もちろん無理やり正当化しようとしているだけですから、論理的欠陥だらけです。今回はそんなナンパ師のダメっぷりをいくつかご紹介しましょう。 1. 一人の幸せに繋がっても100人に不快な思いをさせた罪は消えない  殴られることが快感だと思う人もいるからと言って、人を殴ってもいいわけがありませんよね。路上ナンパだって同じです。確かにそれがきっかけで愛情にまで発展するカップルがごく少数だけどいることは事実なのかもしれないですが、だからと言って街ゆく多数の女性を恐怖心や不快感を与えることが許されるわけではありません。 2. 良識あるナンパなんて無い  一部良識のあるナンパ師を自称する人たちが、良いナンパと悪いナンパに分けて、「マナーが悪い奴は確かにダメ。でも自分たちは違う」と主張します。ですが、前述のように、たとえマナーが良くても恐怖・不快だと考える女性が増えている中で、それをすること自体が良識ある行動とは思えません。 3. いつまでも「旅」に出ない  多くのナンパ師たちは肉体関係の人数をより多く&より速く持てることを目指しています。そして基本的には長期の関係を望みません。ですが、それってポケモンで例えるならば、マサラタウン(ゲームをスタートする町)にずっといて、ポッポ(一番弱い敵)を相手より多く&より早く倒せることばかりに夢中になっているわけです。  通常、成長を伴う関係を目指すのであれば、ピカチュウ(パートナー)と一緒に旅立って、一緒に色んなことを経験しようと思うはずですよね。結局、ずっと人間関係の入口に留まっている彼らは、偏ったコミュニケーションしか磨かれていないのです。 4. 親切を仇で返す  先日、書店に足を運んで自分の本を探していた時、たまたまナンパ師のバイブルの一つでもある「恋愛工学」の本が目に入ったので見てみたら、あとがきに著者がカフェで近くに座った女性に声をかけるために、自分のいる場所を聞いているという描写がありました。これはまさしく「自己の目的(セックス)のために相手の親切心を利用する行為」ですよね。  以上、いくつかナンパ師のダメっぷりをいくつか見てきました。ここに書いたのはほんの一部に過ぎません。やはり彼らとは縁遠い存在であるほうが良いに決まっていますね。  そもそも魅力的な女性は路上ナンパなんかについて行かない人が大半です。それは自分の周りに既に自分と釣り合うようなステキな男性たちがいるから。だからもし少しでもついて行こうかなという思いが頭をよぎったら、日常生活で魅力的な男性とのコミュニケーションが作れていないというサインかもしれません。まずは、日常を充実させて行くことが大事です。
雨の中の山登りですが、山寺が霧で神々しい雰囲気でした。

雨の中の山登りですが、山寺が霧で神々しい雰囲気でした

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気】 1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログ『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/)は、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。

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