肌断食やオールインワンはOK?冬の保湿をプロに聞く

 ボンジュール! 官能美容のスペシャリストであり、正しい美容知識の啓発に日々勤しんでいる皮膚科医のマナティこと岩本麻奈です。

 さて、わたくし、職業特権でいろいろリサーチをしておりますが、男性から見ての“キレイで好まれる肌の一番のファクター”ってご存知ですか?

 それは十分に潤って透明感のあるお肌、要するに保湿が完璧なお肌のことです。多少、シミがあろうがシワがあろうが、色黒だろうが、ハリがいまいちであろうが、水分たっぷりでぷりぷりした肌質(角質層の水分量が15〜20%)であれば最高とのこと。

 まさに色気は水気です。

保湿 でも、ちまたで言われている保湿の”常識”やブームには、要注意なものもあります。そこで、ありがちな勘違いについてお話ししましょう。

1)油分がキライです。保湿成分が入った化粧水をたっぷりつけるだけでよい?
→油分を上塗りしないと蒸発してしまいます!


 セラミド、アミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸といった優秀保湿成分入りの化粧水をけちってちびちびつけるよりはたっぷりつけるにこしたことがありませんが、それにて“保湿ケア終了”とするのは、片手落ちです。

 基本、その後にクリームなどの油分をしっかりと上塗りして、水分の蒸発を食い止めないといけません。若い時はまだしも、35歳アップ、45歳アップになると自前の皮脂がでにくくなって参ります。

乾燥肌 例え若い時にオイリー肌であっても年齢とともに乾燥していく傾向にあります。今はべたつかないテクスチャーのものも商品化されてきておりますので、お試しになってはいかがでしょうか。

2)化粧水を塗らなくても保湿クリームオンリーで十分?
→まず化粧水を使うほうがベターでしょう


 一時、クリームだけ美容(洗顔ののち、保湿クリームで終了)が流行った事がありました。これって、実はフランス人のスキンケア法にそっくり。

 フランス人は“保湿用の化粧水”というアイテムを殆ど使いません。化粧水の多くは拭き取り用であったりトニックであったり……。超敏感肌であるとか、化粧水がしみるといった方にはこのシンプルさはお勧めかもしれませんが、いつまでたっても美しい日本人肌の秘訣の一つにはミルフィーユのような手間をかけた美容法も一因ではないかと密かに思っております。

 もちろんいじりすぎはNGですが。化粧水は水分や保湿成分の補給とともに、全体を均一にならし、次なるアイテムの導入をはかる作用があります。

化粧水3)「肌断食」で肌を鍛えることは有効ですか?
→おすすめしません


「週末」とか期間を決めて、お肌に何も塗らない肌断食。

 でも、もともと合わないケア方法でトラブってしまった場合の皮膚科的対処法が肌断食であって、普段のスキンケアで特に不具合が生じていない人にとっては、意味のないことです。

 もちろん、まれにまったく何もしなくとも肌がキレイな人がいます。これは生まれ持っての肌質や素晴らしい体内環境の賜物といえます。例えばどんなに暴飲暴食しても、健康で太らない人っているでしょう? そういう違いと同じです。

 日々の肌質の変化を手のひらセンサーで感じて、一品足す、一品引く、肌に合わないみたいだから少し休む、という感性は大変有用です。けれど一辺倒に、「普段はスキンケアで肌を甘やかしているから、コスメは●日続けたら▲日休むもの」とルーチン化するのはまったく別のお話し。

 これから冬に向かってどんどん空気が乾燥していきます。お花もお水をあげなければしおれてしまいます。お肌をしぼませないように、キチンと保湿ケアをしていきましょうね。

4)オールインワンジェル(コスメ)ひとつで保湿ケアできる?
→「時短、コスパ」と割り切るならアリ


 コース料理を順番にゆっくりと消化しつつ食べていくようなのが一般的な化粧リチュアルであれば、時短とコスパを考えながらワンプレート料理をさっくりと頂くのがオールインワンジェル方式。

 その時の肌調子で、一品足したり引いたりして水分と油分のバランスをとっていく技には敵わないものの、自分に合った成分含有の一品、好きな香りやテクスチャーが見つかれば普段使いにシンプル保湿ケアをするというのもアリでしょう。

5)理想はみずみずしい「赤ちゃん肌」ですよね?
→「赤ちゃん肌」は保湿力もなく理想じゃない


 赤ちゃん肌は、羊水に浸っていた胎児界から人間界への適応途中といえます。まだまだバリア機能が未熟で角質も大人の半分以上薄く保湿力もなく多汗で、いろいろとトラブルの多いのが実情です。

 ではなぜあんなにみずみずしくキレイに見えるのでしょうか? それは大人に比べ表面積が極端に小さいため、キメがより細かく見え、内部には多くの水分を蓄えており、皮下脂肪でムチムチしているからだといわれます。

 ちなみにパリのマダムたちは誰も“赤ちゃん肌”を理想としておりません。なぜなら確かに赤ちゃんの肌はキレイだけれどもそこに色気がないからだそうです。

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 1、2、4は、肌質や肌調子によって、答えが違います。肌と対話しながらさじ加減を楽しんでください。正しい正しくないかも大事ではありますが、スキンケアそのものを愉しむ勢いで。それこそ、官能美容であります。

<TEXT/岩本麻奈>

岩本麻奈

岩本麻奈

【岩本麻奈】
1964年生まれ。皮膚科専門医、一般社団法人日本コスメティック協会代表理事。
東京女子医大卒、慶應大学医学部皮膚科学教室で研修後、済生会中央病院などに勤務。3児の母。97年渡仏し、現在はパリ在住。著書は『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』など多数 。
公式ブログ http://ameblo.jp/dr-mana/

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