チビ太にはモデルがいた!イヤミの初シェーも大公開「おそ松くん」トリビアに驚き!

 若い女性を中心に爆発的な人気となっているアニメ「おそ松さん」(テレビ東京系)。昭和時代に一世を風靡した「おそ松くん」の“その後”が舞台となった作品で、大人になった6つ子が描かれているギャグアニメだ。

 今年は原作の作者・赤塚不二夫氏生誕80年。記念企画として、22人の著名人を講師に迎え“赤塚イズム”を講義する『バカ田大學』を東京大学で開催中だ。そこで、「おそ松くん」に関する講演を行ったコラムニスト・泉麻人さんの講義『シェーとは何か? Part.1』を受講し、「おそ松さん」の魅力と見どころを探ってみた。

前編⇒『チョロ松は整形、十四松は文系男子!? 元祖「おそ松くん」トリビアに驚き!』 http://joshi-spa.jp/464913

イヤミの記念すべき初「シェー」と最後の「シェー」



おそ松さん

ドリンク50円の時代に1,000円の賞金がかかった魚を釣り上げたチビ太と驚くイヤミ

 6つ子と並んで「おそ松さん」を盛りあげる脇役たちの多くも、「おそ松くん」時代からの常連キャラ。本講義のメインでもあるイヤミに関して、泉さんは貴重なコマを紹介してくれた。

 舞台は、出っ歯の魚を釣り上げると賞金がもらえるという、イヤミの営む釣り堀屋。もちろん釣れないようにあれやこれやと小細工をしているのだが、何をどうしてチビ太が釣り上げてしまう。「オジサンバケツかして!!」と出っ歯の魚を持ってきたチビ太を見て、「シェー」と跳びあがるイヤミ。なんと、これがイヤミの“初シェー”だという。

「最初のシェーはすごい変形だよね。いきなり自分の足を噛んでいるっていう(笑)。型もいい加減」と泉さん。とはいえ、これを境に「シェー」はイヤミの持ちネタとして定着していき、その後、時の人が次々に披露するまでの人気ポーズとして確立されていくのだ。

おそ松さん2

空中浮遊の「シェー」。よくみるとアゴ髭もある

 そんなイヤミの「シェー」は、ビッグゴールド1996年の1月号で掲載された特別企画、「シェー教の崩壊」というオウム真理教事件をモチーフにした回で終わりを迎えるこことなる。

「イヤミは尊師さまで、最後に空中浮遊でシェーをするという(笑)。そのあたりをすぐネタにしてしまうのが、さすが赤塚さんですね。これが、連載上最後の『シェー』とされています」。ちなみに、右手が上のスタイルが正しいシェーポーズだそうだ。

チビ太には実在のモデルがいた



おそ松さん3

当時の流行歌「まつのき小唄」を元にした「おでん小唄」を謳うチビ太

 おでん好きで知られるチビ太は、「おそ松くん」がはじまって比較的早く出てきたサブキャラクターだったとのこと。「チビ太のおでん好きが最初に明かされたのは、西部ガンマンの設定でお尋ね者を倒したお礼に何がいいかと尋ねられて、おでんを請求するという体でした」と泉さん。

 チビ太のおでんの具を調べたところ、後年は三角はんぺんと思しきものがいちばん上のスタイルで定まっているものの、ちくわぶが入ったり、順番が違ったり、さまざまなパターンがあるそうだ。

 連載2年目あたりからは、イヤミとともに実質的な知名度を上げていくチビ太。イヤミとチビ太が主役クラスのストーリーも作られるようになり、そのあたりからチビ太のおでんキャラも固まっていったという。

 また、チビ太にはモデルが存在し、「終戦後、赤塚さんが奈良で生活していた少年時代に、グループにいたチビでワンパクな子ジョンジョンだと、自叙伝で語っています」と明かす。

ハタ坊の「旗」東京オリンピックの影響?



おそ松さん4

後年のハタ坊。ハードボイルドだ。

 そんなチビ太をイライラさせる役回りといえば、頭上の日の丸がトレードマークのハタ坊。

「旗は脳天についているというのが定着しているけれど、初出のときは旗が耳についていました。ハタ坊の登場は東京オリンピックの時期で、あの当時は世界各国の国旗が飾られていた時代。ハタ坊もブラジルやアメリカの旗をつけていたことがあります」という。

「とにかくおバカな子だったハタ坊も、1話完結の長編ネタではハードボイルドなキャラを演じています。ノーベル賞をとる頭のいい学者やニヒルなギャングをやることもありました」とのこと。クールなギャング役では、頭の旗もドクロマークに変わっているという芸の細かさだ。

デカパンのような人は30年代にたくさんいた!?



おそ松さん5

優しいデカパンも、はじめは変質者だった!?

 温厚で優しいおじさんのイメージが強いデカパンも、初出は「キャンプに出掛けて迷子になった6つ子が出会った、滝に打たれた怪しいオヤジとして登場した変質者だった」のだという。

「昭和30年代の終わりごろはね、実際に町中を裸で歩いている変なおっさんとかが結構いたんです。そのような時代も彷彿とさせるものがあります(笑)」と泉さんは言う。

 そんなデカパンも、「後年ではマフィアのボスといった強面のキャラクターとして使われることが多くなっていきます」とのこと。「おそ松さん」でときおり見せる裏の顔に、何となく相通ずるものを感じなくもない。

日常のなかのシュールさが「おそ松ワールド」の魅力



「おそ松さん」世代にとっては、知られざる「おそ松くん」の世界。そんなおそ松くんの魅力を、泉さんはこう語る。

泉麻人

本講義の講師、コラムニストの泉麻人さん

「おそ松くんの魅力は、ある種当時の時事とか、生活風景、日常性が描かれながら、その中にへんてこなキャラクターが織り交ざっているところなんですよ。だから、まったく設定からシュールというわけではなくて、当時の日常世界の中にちょっと変な人がいるというのが、僕はとても好きでございます。また、この赤塚漫画の魅力のひとつにキャラクターをだんだん転がしていくというのがあります。逆のキャラをやらせて新しい一面を引き出すような感じですね」

 最後には、泉さんが小学生時代にお小遣いで購入したという“ソノシート”(ビニール製のレコード盤)で、「おそ松くん」がテレビ放映される前に作られた主題歌や、ダークダックスが歌った「シェーの歌」を聴かせてくれた。

「歌の途中で合いの手が入るのは、『おそ松さん』の主題歌でも踏襲していますね」と、歌にまでも「おそ松くん」の名残がある点を指摘。「シェーの歌」で合いの手となる、「シェッシェー」に合わせて参加者全員で「シェー」のポーズを取り、1時間の講義は終了した。

 泉さんの和やかな語り口調と、ほどよく散りばめられた笑いのネタ。そして、「おそ松さん」に登場するキャラクターたちの過去とで、新たな視点で「おそ松さん」を楽しめる要素が詰まった泉さんの講義。

「シェーとは何か? Part.2」では、今回語られなかったキャラクターの秘話なども聞かせてくれるという。“おそ松ワールド”をより深く学べるいいチャンスとなりそうだ。

<TEXT/千葉こころ PHOTO提供/赤塚不二夫生誕80年製作実行委員会/ARK>
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●泉 麻人(いずみ あさと)さんプロフィール
1956年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、編集者を経てコラムニストとして活躍。「テレビ探偵団」や「出没!アド街ック天国」などのメディア出演のほか、多くの著書を手掛ける。2008年には「おそ松くん」を独自の目線で解説した『シェーの時代「おそ松くん」と昭和こども社会』(文芸春秋)を出版。

●赤塚不二夫生誕80年特別企画「バカ田大學」
http://ark.on.arena.ne.jp/bakada/20151205_20160331.html

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◆千葉こころ

ビールと映画とMr.childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。

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