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別れた夫と子どもを会わせるべき?あるママの決断

子どもをかわいがる人は一人でも多いほうがいい

 こんなに大変でも佐藤さんが由那さんと父親の関係を保とうと努力をしているのには、ふたつの理由があります。 面会交流 ひとつは、自分が「子どもに会えない別居親」でもあること。佐藤さんの最初の夫はアメリカ人で、離婚すると子どもをアメリカに連れ去ってしまいました。フェイスブックでどうにか見つけた子どもに美佳さんが友達申請すると、最初は「どうしてもっと早く探してくれなかったの?」と責められ、ブロックをかけられてしまったと言います。 「その子どもも20歳になったからでしょうか。今年になって向こうから友達申請が届き、最近は『I love you』などとメッセージを送ってくれるようになりました。でも、できることなら成長する姿を見たかったという思いはあります。だから、子どもに会えない悲しみは私にも痛いほど分かるのです」(佐藤さん)  もうひとつの理由は、佐藤さんも離婚家庭で育ち、母親から父親の悪口を聞くという嫌な経験をしているということです。 「私は、由那に父親の悪口は言いません。父親がくれたプレゼントは私も大切にするし、『由那はお母さんとお父さんのお金(養育費)で暮らしているんだよ』と伝えています。  私も元夫も人間ですから、いいところも悪いところもあります。子どもは両親それぞれのいいところを吸収して育った方がいいし、子育てにかかわることで親も成長します。何より子どもをかわいがってくれる人は、一人でも多い方がいいはずです」(佐藤さん) ※1:夫婦で話し合って離婚に合意すること。裁判所は関与しない。 <TEXT/木附千晶> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【木附千晶プロフィール】 臨床心理士。IFF CIAP相談室セラピスト。子どもの権利のための国連NGO・DCI日本『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの権利条約絵辞典』、著書『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり
木附千晶
臨床心理士。「CAFIC(ケフィック) 子ども・おとな・家族の総合相談 池袋カウンセリングルーム」主宰。子どもの権利条約日本(CRC日本)『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの力を伸ばす 子どもの権利条約ハンドブック』など。著書に『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』、『いつかくるペットの死にどう向き合うか』など。
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