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コンビニで嫌われる客は?残った恵方巻きはどうなる?店長が大暴露

一見、品のいい「モンスター客」も

 そんな経営上のストレスに加えて、「モンスター客」への対応に追われる著者は、現代の日本人の「何かが確実におかしくなっている」と感じている様子。 コンビニ2 たとえば、店の外まで落し物を探させようと電話してくる上品そうなご婦人。  さらに、お昼の忙しい時間帯に、筆記用具一式を借りてファックスを送ったのに、ありがとうの一言すらなしに店を出る、スーツ姿の若いサラリーマン。  彼らは人に危害を加えるわけではないでしょうが、基本的な何かが欠落している怖さを感じさせるエピソードでした。

細やかな心遣いを見せる客

 その一方で、焼酎を買う常連のトラック運転手は、飲酒運転を心配する店主に先んじて、 「大丈夫、このご時世に飲酒運転なんてやったら一発でアウト。おまんまの食い上げだ。荷物を運び終わったら、そこで一杯飲んできっちり寝るから心配すんなよ」(第2章 P86) と、細やかな心遣いを見せる。  毎朝のように弁当やおにぎりをカゴ一杯に買いこんでいた、ニッカポッカ姿の一見コワモテな客も、 「いろいろと世話になったな。オレ、この現場、今日で最後なんだ。もう明日からは来られない。短い間だったけど、ありがとうな」(第4章 P159)  と、粋にお別れを告げたといいます。  こうして、なんとか成り立っているコンビニというインフラ。著者によれば、「人間の本性が現れる場」だといいます。 <いつもエリートのような装いをした紳士も、深窓の令嬢も、店内に入ったとたんに鎧を脱ぎ捨て、常識では考えられないような行動を起こすことを嫌というほど思い知らされてきた。> (まえがき P5)  いくら売り上げても、雀の涙ほども出ない利益。そればかりか覚えきれないぐらいに膨れ上がったサービスに加え、横柄に振る舞う客まで丁寧に対応しなければならないコンビニ店員の気苦労は、計り知れません。   <TEXT/比嘉静六>
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コンビニ店長の残酷日記

日本全国に5万店以上あり、原則24時間、365日営業で飲食料品はもちろん、各種サービスも豊富で、コンビニは今や我々にとって欠かせない存在となっている。ただ、その分、従業員への負担は増える。ひときわツライ立場にいるのが店長(オーナー)だ。当然、残業代なんていうものは出ない。食卓に廃棄弁当が並べられるのは当たり前。恵方巻きなどのキャンペーン商品でノルマ未達だと自腹購入もする。そして、トンデモ客に翻弄される姿には哀愁が漂う。そんなコンビニ店長の奮闘記。

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