近視にバイバイ!入れっぱなしでいい“眼内コンタクトレンズ”が登場
「メガネっ娘」好きな男性もいるけれど、やっぱりメガネが似合う女性は少数派。「普段コンタクトの彼女が朝、すっぴん+メガネなのを見て“誰これ?”と思った」なんて声もあるほどです。
近視の人の中には、彼に分厚いメガネ姿を見られるぐらいなら、いっそ、コンタクト入れっぱなしにしちゃう……? なんて誘惑にかられた経験がある人もいるのではないでしょうか。
近視にまつわる女子の悩みは、じつに多岐に渡ります。
・メガネが似合わない
・近視がひどいためメガネのレンズが分厚くなり、目が小さく見える
・コンタクトレンズのケアがとにかく面倒くさい
・コンタクトレンズをよくなくす
・近視がひどいので、メガネやコンタクトレンズをつけても視力があまり良くならない
実は最近、これらの悩みを全部まとめて解決してくれる新技術が注目されているのをご存知ですか? その名も「眼内コンタクトレンズ(ICL)治療」。
一言で言うと、「コンタクトレンズを目の中に埋め込み、視力を矯正する」というもの。目の中に挿入したレンズはくもったり、汚れたりすることはなく、日々の手入れやメンテナンスは不要で、目の中で異物感を感じることもないそうです。
つまり、安全に“コンタクト入れっぱなし”ができちゃうというわけ。すでに世界70カ国で行われており、日本では2010年に厚労省に認可されています。
そんなことできるの? ちょっと怖そうだけど気になる……! というわけで、この新技術について、東京・有楽町にある品川近視クリニックの湯川聡先生に詳しく教えてもらいました。
「眼内コンタクトレンズは、英語のインプランタブルコンタクトレンズの略からICLとも呼ばれています。また専門的にはフェイキックIOLとも呼ばれています。手術では、点眼麻酔をしてから、角膜を切開し、そこからごく小さなレンズを眼内に挿入。手術は片目で約10分~15分程度で、入院の必要もありません。
傷口はわずか3ミリと小さいため、縫合や抜糸もいらず、自然に治ります。両眼を同時に治療できるので、忙しくてなかなか時間がとれないという人も大丈夫です」
これまでは近視矯正治療というと、レーシックというイメージがありました。レーシックは実績もあり、安全で満足度が高い治療ですが、角膜をレーザーで削って視力を矯正するため、近視の進行具合や角膜の状態によっては、治療できないケースもあります。
「眼内コンタクトレンズ治療は角膜を削らないでレンズを目の中に入れて近視を矯正するため、強度の近視や乱視はもちろん、角膜が薄くてレーシックが適応外になった人も、視力を矯正できるケースがたくさんあります」
近視が強い人でも、クリアに見えるようになるのが、眼内コンタクトレンズ治療の特徴だそう。暗いところで、明るいライトなどを見た時に、光のまわりににじんだ輪が見える「ハロー」や、ギラギラ光ってまぶしい「グレア」と呼ばれる症状も少なく、ドライアイにもなりにくいとか。
「個人差もありますが、ドライアイや知覚過敏になりにくいため、治療後もカラーコンタクトをこれまで通り、楽しめますよ」
実際に、治療を受けるとしたら、どんな流れになるのでしょうか?
「まず一定期間、コンタクトレンズを外してもらい、眼球のゆがみがとれた状態で目の状態を検査します。“治療が受けられるかどうか”がわかった時点で、改めて検討していただき、“やっぱり治療を受けたい”となれば、その人にぴったり合うレンズを取り寄せます。
レンズの到着に合わせて、手術日を相談し、いよいよ手術です。手術時間は消毒なども合わせると、両眼で約1時間程度。その日のうちに、視力が矯正され、治療後は”視力が良くなった状態”で歩いて帰れるので、驚かれる方が多いですよ」
聞けば、聞くほどカンタンそうですが、眼内コンタクトレンズ治療にリスクはないのでしょうか?
「そうですね。もうひとつ、眼内コンタクトレンズ治療の大きな特徴に『万が一、元の状態に戻したくなったら、取り外せる』という点があげられます。もともとトラブルが起こりにくい上、何か問題があれば、レンズを外せるので、安心度が高いと考えていいでしょう」
まさに願ってもない話ですが、ネックになるのが金銭面。眼内コンタクトレンズ治療は健康保険が適用されず、全額自己負担になるため、治療費は両眼で約60~70万円ほどかかるとか(医療機関による)。
今後、メガネっ娘になりきれないストレスや、コンタクトレンズをケアし続ける面倒くささから解放されると考えると、投資する価値はありそうですが、あとは軍資金をどう確保するかでしょうか。
最後に、眼内コンタクトレンズ治療を受けたい場合、病院やクリニックはどう選べばよいのでしょうか?
「眼内コンタクトレンズ治療は、治療可能な医師の認定条件が厳しく定められています。認定医が在籍しているクリニックであることは当然ですが、症例数が多い経験豊富なクリニックを選択するといいでしょう。
また、認定医が多数在籍しているクリニックであれば、複数の治療日や診察日を設けていますので、忙しい社会人の方も、スケジュールを合わせやすいと思います」
これでコンタクトのお手入れや、メガネをかける煩わしさから解放! 朝起きた瞬間に、クリアな視界を手に入れられますね。
<TEXT/島影真奈美 提供/スター・ジャパン合同会社 取材協力/品川近視クリニック>