このドラマは大野智の演技力が全てを牽引していた。共演の
小池栄子が制作記者会見で彼を「天才だ」と絶賛していたのも納得で、ドラマ内でキレるところや、ふっと気の抜けた表情、シーンに合わせた声のトーンなど絶妙なのだ。
どこか朴訥としていて、地味な印象の大野くん。でもスイッチが入ると途端にステージでは艶やかに踊り、伸び伸びとしたヴォーカルを聴かせ、ドラマでも影のある弁護士役から、歌のお兄さん、妖怪などクセのある役をサラリと演じる。溢れんばかりの才能を持ちながら、デビュー10周年で「嵐をやめようと思っていた」とポツリ。
人は地位と才能が欲しくて右往左往する生き物なのに、彼は今の国民的スターの立ち位置が惜しくないんだと思うとそれもかっこいいな、と思ってしまう。
こういうタイプが一番モテるけど落としにくいのよね……。
そんな天性の魅力を持つ彼に、このドラマで喜劇俳優でもあった植木等の影が見えた。いや
ひょっとしたらチャップリンみたいになれるのではという妄想さえ働かせてしまう。
医療、刑事モノが全盛のドラマ氾濫期に、ラブコメディ一本で楽しませてくれる俳優はなかなかいない。期待をこめて『世界一難しい恋』の続編として『世界一難しい結婚』を希望したい。
※次回は主演女優賞を発表。
<TEXT/スナイパー小林>
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【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。
Twitter:@hisano_kスナイパー小林
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