英語と格闘しながらも異国の地でさまざまなことを吸収し、わずか2年後のソチ五輪で金メダリストとなった羽生選手。
でも、自叙伝によれば、演技をパーフェクトにできずに落ち込んだり、達成感のないままに金メダルをとって、自分をめぐる環境とのギャップがつらかったそう。
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ひそかに燃え尽きていたという彼の心にふたたび火をともしたのは、帰国後に訪れた被災地の人々との交流でした。
「震災後初めて、津波の被害のあったところまで行き、石巻の中学校を訪問させていただきました。(中略)金メダルを持ってきているということにまず、中学生たちがすごく喜んでくれたんです。そして、僕に会っただけでもすごく笑顔になってくれました。
生徒のみなさんの笑顔から、本当につらい経験をしてきた方が元気になってくれたというのを肌で感じさせていただいたことが初めてだったので、すごく嬉しかったです。僕自身が一番感動し、僕自身が元気になったなって思います。(中略)
一緒にいろいろ楽しいことができて、その時に、ああ、やっぱりスケートをやっていてよかったな……って思ったんです。自分の演技がどうであれ、こうやって五輪金メダリストになったという結果を持ってこられて(後略)」
また、本書で本人の口から初めて明かされるのが、2014年グランプリシリーズ中国杯でハン・ヤン選手と衝突したときの具体的な状況です。
「お腹が痛くて、息ができなかったです。(中略)みぞおちを氷に打ちつけてしまっていたので、ボディブローを食らったような感じだったんです。だから最初はお腹が痛くて息ができなくて、それで立ち上がれませんでした(後略)」