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吉野家も使う「熟成肉」。業者次第で“腐る”キケンも…

「摂氏0度、湿度75%に保った特別な冷蔵庫内に肉を保管し、24時間態勢の送風でゆっくりと肉の水分を飛ばしていくんです。30~60日を経た頃には、表面にびっしりカビが生えますが、これをトリミングすると独特の甘い香りとともに、うっとりするような美しい赤身肉が現れるわけです」

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手抜き業者が”腐った肉”を出さないか不安

 こうして仕上げた肉は、各地の高級レストランから賞賛される逸品だ。ここに至るまでの苦労を振り返るように、新保さんは昨今の熟成肉ブームに苦言を呈す。 「恐れているのは、間違ったやり方で『熟成』させようとした業者が、『腐敗』した肉をお客さんに出して食中毒を起こすことです。その結果として『熟成肉=危険』のレッテルが貼られてしまえば、これまでのドライエイジング普及の努力が無駄になりかねません」  さらに怖いのは、真空パック肉の熟成を試みるパターンだ。我が国の食肉の大半は、真空パックしたブロック肉の状態で流通している。いったんパックを開封すれば、いくら寝かせても熟成は起こらず、腐敗が進む一方だという。 「私がドライエイジングしている肉は、骨がついたまま。なぜかというと、肉は骨を外した瞬間から腐敗し始めるものだからです。肉の熟成は、骨付きの状態でなければ絶対にダメです。  骨を外した肉を冷蔵庫で保管して熟成させようとしても、おいしく食べられる期間は短く、あとは腐っていくだけで、いずれユッケ事件の二の舞いになりかねない。熟成肉を手がけるお店は、見よう見まねではやってほしくないですね」 ―こんな店で食べたくない![飲食業界]の裏側【1】―
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