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『AMY エイミー』なぜ彼女は27歳で悲惨な死をとげたのか

エイミー・ワインハウス

(C)Rex Features,

世界中が“イタいセレブ”と、おもちゃにした

 デビューして成功をおさめ人生の絶頂というときに、「自分の存在を消したい」と言って愚行に走ったエイミー。その背景に、音楽への純粋な思いが否定される現実もあったとすると、どこまでもやるせなくなってしまいます。  本作ではクズの元夫や実父をはじめ、関わった多くの人が登場し、当時のことを語っています。もっとも、内輪話にすぎないエピソードも多く、そのシーンのたびに、こう思うのです。 「いいからエイミーの歌を聴かせろ」と。  しかし、“イタすぎるセレブ”とレッテルを貼っておもちゃにしたエイミーは、もういません。『AMY エイミー』は、その実もフタもない事実を突きつけているのです。 AMY『AMY エイミー』 http://amy-movie.jp/ 米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞をはじめ、世界で30冠以上の映画賞を獲得した傑作。クズ男に執着している女性や、J-POPしか聴かない人にこそ、ぜひ観て頂きたい。 角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー 配給:KADOKAWA <TEXT/音楽批評・石黒隆之> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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AMY エイミー(オリジナル・サウンドトラック)

第88回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞を受賞した、2016年7月23日に没後5年を迎えるエイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画『AMY エイミー』の日本盤オリジナル・サウンドトラックがいよいよ登場!劇中に流れるエイミーのオリジナル楽曲だけでなく、多数の貴重なライヴ音源やトニー・ベネットとのデュエット曲「ボディ・アンド・ソウル」を収録。 (C)RS

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