「不動産は売却し、現金で分割できればいいですが、実家だと家族の誰かが住んでいたりと簡単に売却できません。その場合、家をもらう人は各人の持ち分に応じた現金を支払う必要があります。でも不動産はいかようにも価値を換算できるので、払う側は安く、もらう側は高く見積もりたいというジレンマから決着がつきづらいです」
同じ不動産でも昨今、相続税対策で脚光を浴びるタワーマンション。だが、こちらも
実は落とし穴があると落合氏は続ける。
「タワーマンションは、購入金額よりも価値が安く見積もられるので、相続時に税金が安くなる。たしかに税金対策としては効果的ですが、購入時1億円のタワーマンションも、実際に市場に出したら1億円で売れるとは限りません。
現金の代わりにタワーマンションを相続したものの売却時には思っていた値段で売れず、結局は損をして禍根を残すこともありますね」
また、「遺産なんて金持ちの話」と他人事に思っている家庭ほど、トラブルは起きるという。