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障がいをもつ息子の小学校、どうやって選ぶ?【シングルマザー、家を買う/57章】

特別支援学級に行くと思っていたのに…

 その知的の特別支援学級は家からとても近く、これは好都合だと思っていたのだが、次の段階の面接で、10分ほど息子をみた面接官は、「息子君は養護学校にいくのをお勧めします」と言ってきたのだ。  あまりに予想外の返事に、胸がざわついた。養護学校。そうか、息子は俗にいう重度の知的障がいに値するのか。 シングルマザー、家を買う/57章_2 思わず言葉に詰まる私を見て、面接官は気持ちを察してくれたのだろう。 「息子くんは、完全な意思疎通ができていないので、そのレベルにあった生活の自立を促すことが第一だと思うんです。養護学校であれば、ST(言語聴覚士)やOT(作業療法士)もつねにいますし、ジェスチャーなどで意思を伝えるための勉強もしていきます。でも、普通の小学校での特別支援学級はお勉強がメインになるので……」  言っていることはわかる。  もちろん、息子に何がいいかなんて、母親である私はわかりきっている。でも、でも……。  迷う私に、面接官は「一度、両方体験入学をした方がいいですよ」と勧めてくれた。決めるのは、私じゃなくて、息子。息子がのびのびと気持ちよく時間を過ごせる場所に、おいてあげたい。  そして、息子の小学校選びが始まった。 <TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【吉田可奈 プロフィール】 80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky※このエッセイは隔週水曜日に配信予定です。
吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980
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