【AV男優・森林原人の性活コラム 第16回】 経験人数7,500人、発射回数10,000発以上、下は18歳から上は69歳まで、性別の垣根を越えてさまざまなエッチを経験するAV男優・森林原人さんが、性にまつわるあれこれについて語ります。 　女子SPA！で連載させていただくようになって1年以上が経ち、その間に多くの相談メールをいただきました。その中で一番多かったのは、イったことがない、イク感覚がわかならない、という内容のものでした。イク、エクスタシー、オルガズム、言い方はさまざまですが、その実態や仕組みが謎のままになっている方や、そこで迷子になっている方がたくさんいるみたいなのです。 　僕は女性じゃないからホントのところはわかりませんが、女性の「イク」には、肉体的にイクのと精神的にイクの2種類があるみたいです。肉体的にイクと、ジェットコースターで落ちるときのような浮遊感を感じたり、頭が真っ白になると聞きます。そして力が抜けて脱力すると。一方、精神的にイクと、相手への愛しさが増し、場合によっては涙が出ます。この時、肉体的な快感はあまりなく、心が気持ちいいという感覚らしいです。 　これに近い感覚なら、男の僕にもわかります。「あぁスッキリした」と射精した後に思う気持ちよさとは別のやつで、なだらかな山のような盛り上がりがやってきて、膝の辺りからへその下の辺りまでがゾクゾクするような深い快感が長く続き、穏やかな気持ちよさに包まれ、相手のことをずっと見つめ抱きしめ触れ続けたいと思い、愛おしさが無限に溢れ出てくる時の気持ちいいがそれです。 　こうなるにはどうすればいいのかということを、いろいろな相談をきっかけに自分の経験を振り返りつつ考え、伝えようとしてきました。大雑把な言い方になってしまいますが、イこうとするとイケない、イカなくていいやと思うとイケる。なんだか禅問答みたいですがこういうことです。 　ポイントは、イクイカないというところから離れ、幸せだったどうかという見方で考えられるようになれるかどうかです。そうなれれば、セックスが楽になります。幸せも目に見えませんが、イクとは違い、誰もが感じることができるものです。イケなくても幸せなセックスはみんなできます。それには、相手と深くしっかりとつながること。