僕が37年間生きて、その大半をAV男優という特殊な仕事に就きながら過ごして見出した人生の真理とは、「最高の幸せは人とつながることである」ということでした。 「AV男優が何言っちゃってんの？」と思った方が少なからずいることでしょう。でも、AV男優も人生の幸せについて考えたりはします。それは、裸になるという特殊な職場で、秘め事であるはずのセックスをして、肉体的に深く相手と関わり、相手の人生に思いを馳せる機会が多いからです。 　相手とつながる行為はいろいろあるのですが、つながったという実感が一番強く感じられる行為がセックスだと思っています。ある女性はセックスよりも妊娠だと言いまして、それを言われちゃー男はお手上げですが、セックスは深く強くしっかりとした手ごたえで相手とつながれます。そんなセックスが幸せです。その際、イケるかどうかは問題じゃありません。 　そんなセックスだけが「セックスの正解」ではありませんが、イクことにこだわらない、そーゆーセックスがあるということを僕は伝えたいのです。この連載「性活相談」の中で特に反響があったものを一冊の本にまとめるにあたり、そんな思いから、タイトルをあえて『イケるSEX』にしました。 　真意と矛盾するようですが、イクイカないにこだわっている人にこそ読んでもらい、そこから解放されて欲しいです。イクということはゴールではなく通過点でもなく、幸せなセックスのおまけみたいなものなんだと思ってもらえたら、僕の思いが伝わったということです。 　セックスで悩んでいる人はもちろん、セックスするまでで駆け引きしたり、セックスに勝ち負けを持ち込むような、セックスが手段や方法になっている人。そして、イクイカないにこだわっている人。そんな人に読んで欲しいです。 ＜TEXT／森林原人＞ ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【性活相談者を募集！】 森林原人さんに悩みを相談したい方は、こちらのお問い合わせフォームまで、お名前はハンドルネームまたは匿名希望、題名の冒頭に【性活相談】を入れ、お送りください。 ※相談内容の一部を変えて取り上げさせていただく場合がございます。