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世界が注目する“忍者”ZENが語る、パルクールに賭ける人生が超クール!【インタビュー】

障害物を超えて進むパルクールは、人生と同じ

――ご自分のことを「飽き性」と分析されていますが、8年も情熱を持って続けていられるので意外でした。 ZEN:同じことをずっと出来ない性格なんですよ。パルクールってたくさんの要素があって、毎日同じ場所で同じトレーニングをするのは、むしろ意味がないというか。常に自分に足りないものを探して、いまの自分に一番必要な場所でトレーニングをする、ということをしているので、日々変化が求められる。変化がなければ鍛えられる部分が変わらないんです。そういう意味で、パルクールは自分の性格に合っているのかなと思います。 zenさん5――著書の中で「障害物」という言葉を使われています。 ZEN:パルクールというのは障害物を越えていくスポーツなので、現実にある障害物という意味もそうですし、僕はそれって、人生においても同じだなと思っているんです。障害物は目に見えるものだけではなく、逆にポジティブなチャンスも障害物だと思うんですよ。そういう物事一つ一つを、一つの経験として得て、そこからいろんなことを学んで生かすというのがパルクールと一緒だなと思います。

やりたいことに向かって一直線に生きる

――パルクールを世に広めたいという強い思いをお持ちですよね。 ZEN:自分がパルクールにいろんなことを教えてもらった立場だからなんです。こうやって普及活動をする中で、僕みたいに「なにか違う」と思っている方にチャンスを増やせるといいなと。それが必ずしもパルクールじゃなくてもいいと思うんですよ。自分の夢に向かって踏み出せていないかたや、その勇気がないかたに、この本を読んでいただきたいです。 ――わたしも仕事で行き詰っていたときにこの本を読んで、吹っ切れたというか、もう一度頑張ろうと思えました。 ZEN:それは本当に嬉しいです! パルクールをやってみたいという形だけじゃなくて、自分のやりたいことに向かって一直線に生きた少年の話として、感じてもらえるものがあったなら、今回本を出させてもらった意味がすごくあると思います。 zenさん6――おばちゃんの意見なんですけど、若いのに本当にエラいなと思います。わたしが23歳のときなんて、ちゃらんぽらんでした(笑)。 ZEN:全然エラくないですよ。どうしようもない奴だと、いつも思っています。ただ、自分の気持ちにウソはつけないんです。自分がこれだと思ったことには全力で進んで、その先でそれが間違っていたりとか、挫折があっても、そこからまた学べばいいと思うので。それが障害物だと思うんです。障害物がないのが一番つまらないです。舗装された平の道が一番つまらないんですよ。歩くための道が用意されているのに、外壁とか縁石とかを歩きたくなっちゃう子供と同じなんです(笑)。 ――パルクールを「魂のパートナー」とまで言い切って、すごいなと思います。 ZEN:半分つながっているんですよ。仮に自分の中で新しく何かをやりたいと思うことがあっても、それはパルクールの中でやると思います。僕のやりたいことは、人生をかけてパルクールを発展させることです。仮にプレイヤーを引退して、なにか違うことをやることになっても、パルクールの人間としていろんなことをやることで、それがまたパルクールのシーンになにか還元できることになればいいなと思っています。 <取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介>
尾崎ムギ子
1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。「web Sportiva」などでプロレスの記事を中心に執筆。著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』。Twitter:@ozaki_mugiko
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