Beauty

「あなたに似合う色」を信じてはいけない

●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」03 by小林直子●

Q.カラー診断でおしゃれになれますか?

 カラー診断で似合うと言われた色がなんだか好きではありません。また、どこを探しても、そんな色の服など売っていません。似合うと言われた色を着なければいけませんか?

A.カラー診断はあてになりません。

回答:小林直子(ファッション・ブロガー)   カラー診断で選ばれた色を着るべきかどうかというのは、多くいただくご質問です。診断していただいた方に聞けばいいと思うのですが、なぜか皆、私のところへこの質問を持ってきます。答えは簡単です。その色を着たくないならば着る必要はありません。それだけです。 カラー診断 カラー診断をする方たちは、服を作る側ではありません。ですから流行も、そのときに何が売っているかも正確に把握していないことがほとんどです。非常に限られた色数のカラーチャートを使用しますので、それらと同じ色が売られていないということはよくあることです。  デザイナーがデザインする際に使用するカラーチャートは、カラー診断の方が使う色数の10倍以上のものです。1枚の服を作る際には、縫い糸1本選択するにしても、300色もある色見本を3冊、4冊と見比べて、その中から選びます。カラー診断で使用するカラーチャートだけで、洋服をデザインすることなど不可能です。

「顔色」で似合う色が決まるわけじゃない

 このように、カラー診断とデザインする現場では全く方向性が違います。また、デザイナーは流行ということを常に考えますから、今の時代の気分でない色のものなど作りません。ですから、いくらそれが似合うと選ばれた色であっても、売られていないことが多いのです。それは今の流行とは外れた色だからです。  また、ハワイの空の下で素敵に見える色のドレスは、東京の空の下ではもう素敵に見えません。似合う色とはロケーションや光の具合によって常に変化するもので、絶対的なものではないのです。  例えば、湘南海岸の海の見えるカフェで映える色の洋服のまま、新宿副都心にあるオフィスへ行ったら、何だかそぐわないということは誰でも気づくでしょう。似合う色というのは、自分の顔色だけで決められる問題ではありません
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「100人に褒められたい」なんて考えないように
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