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『スター・トレック BEYOND』にゲイを登場させた理由――脚本兼出演のサイモン・ペッグが語る

 1966年にアメリカでテレビドラマ(『宇宙大作戦』)としてスタートし、世界中に“トレッキー”と呼ばれる熱狂的なファンを持つ「スター・トレック」。その世界をJ・J・エイブラムスが再構築したシリーズ第3作『スター・トレック BEYOND』が10月21日より公開中です。  クルーのひとり、モンゴメリー・スコットを演じ、共同脚本も務めるサイモン・ペッグさん(『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ミッション・インポッシブル』シリーズ)にインタビュー。今作では、オリジナル版で日系アメリカ人のジョージ・タケイさんが演じた、スールーがゲイであるという新たな設定も。その理由も伺いました。
サイモン・ペッグ

サイモン・ペッグ

“スター・トレック”に見落とされていたもの

――脚本を執筆するにあたり、「スター・トレック」の世界観として守った点、本作で新たに打ち出した点を教えてください。 サイモン:守ろうと思ったところは多様な人々が登場すること。宇宙を冒険し、旅を共有するところ。まさに「スター・トレック」の素晴らしい、大好きな点だね。前2作は旅自体に出ていなかったけれど、今作は遠い宇宙で物語が展開する。 “BEYOND”とは“超える”ことだけど、「スター・トレック」のミッションとして常に語られているように、未開のところに踏み入り、誰も経験したことのない場でさまざまなものを超えていく点を描いた。クルーたちに苦労をさせてね(笑)。そしてその、まだ行ったことのない、宇宙のある部分が今回の新しさでもあるよ。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=612658
『スター・トレック BEYOND』より

『スター・トレック BEYOND』より

――スールーがゲイであるという設定はどこから? サイモン:「スター・トレック」はもともと多様性を出している作品。とはいえ、ゲイということに関してはまったく出されていなくて、見落とされていると感じていた。きっとオリジナルがスタートした1966年から、制作者のジーン・ロッデンベリーはやりたかったのではないかと思う。でも当時は実現しなかったんじゃないかな。人種間の絆だけでも、あれだけの反響があったわけだからね。  今回、スールーがゲイということに関して、とってもさりげない形で出した。その人の性的嗜好というのは、会って瞬時に分かるものではなく、その人を知ってから分かることだから、前2作でまず人としてのスールーを知ってもらい、今回さらに彼を知ってもらった。ゲイであれ、バイであれ、トランスジェンダーであれ、十分あることだからね。
『スター・トレック BEYOND』より_2

写真左端がスールー/『スター・トレック BEYOND』より

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ビースティ・ボーイズが宇宙を救う
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