乳がんを防ぐ食事5つのポイントと、乳房のセルフチェック法
ここ最近女性の間で関心が高まっている「乳がん」。生涯に乳がんを患う日本人女性は、11人に1人、日本における乳がん死亡数が1万3584人(この50年間で7倍にも増加!)にものぼるというデータが出ています。
※出展:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がんの統計’16」
国立がん研究センターによれば、日本人の「食生活の西洋化」によって、乳がんの罹患率が上がっているとのこと。こんなことを聞くと、自分の食生活は、大丈夫だろうか? と不安になってしまいます。
そこで今回は、国立がん研究センターや日本乳癌協会の情報をベースに、「乳がん予防に役立つ、食生活の重要5ポイント」をご紹介します。
世界的には、「閉経後」の女性では肥満が乳がん発症リスクを高めることは確実。これは、肥満による血液中の女性ホルモンの増加が原因ではないかと考えられています。一方、「閉経前」の女性では世界的には、肥満は乳がんのリスクを下げることが確実視されています。
しかし、日本人を対象とした研究では、「閉経前」であっても肥満が乳がん発症リスクを高める可能性があることが示され、世界のデータと異なる結果となりました。つまり、日本人においては、閉経前後とも、BMIが大きくなると乳がんリスクが高くなることが示唆されています。
出展:(「日本人のBMIと乳がんリスク」国立がん研究センター)
アルコール飲料の摂取により、乳がん発症リスクが高くなることはほぼ確実とのこと。
アルコール飲料の摂取がどのようなメカニズムで乳がんの発症に影響を与えるのかはまだよくわかっていませんが、世界がん研究基金/米国がん研究協会の報告によれば、閉経の前後を問わずアルコール飲料が乳がん発症リスクを高めるのは確実で、摂取量が増加するほどリスクも高くなるとしています。
しかし、日本人女性ではアルコール飲料が乳がん発症リスクを高めるかどうかは十分なデータがないため結論が出されていません。1日に1杯程度のアルコール飲料の摂取〔日本酒なら1合(180mL)、ビールなら中ジョッキ1杯(500mL)、ワインならワイングラス2杯(200mL)など〕はリスク因子にならないとする報告もありますが、飲む量が増えるほど乳がん発症リスクが高まるのは確実のようです。
出展:(日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」)
大豆食品をたくさん摂取することで乳がん発症リスクが低くなることが,最近の研究でわかっています。アジア人を対象とした研究では、大豆食品を多く摂取する人はそうでない人と比較して乳がん発症リスクが少し低かったことが報告されています。
日本人を対象とした研究でも,大豆食品やイソフラボンの摂取で乳がん発症リスクが減る可能性があるとされています。イソフラボンはエストロゲンと構造が似ていることから乳がん発症リスクを上げるのではないかという心配もありますが,食事により得られる程度の量であればリスクは上がらないことがわかっています。
しかし、イソフラボンをサプリメントとして大量に摂取した場合については乳がん発症リスクを下げることは証明されていません。また、発症リスクが上がることも示されていませんが、安全性が証明されていないため、イソフラボンサプリの大量摂取は推奨されていないようです。
つまり、サプリではなく大豆食品からの適量摂取が、乳がん発症リスクを下げる可能性があるようです。
参考:日本乳癌学会(同上)
「肥満」は、発症リスクを確実に高める
アルコールは、控えめに
大豆食品・イソフラボンの摂取は、発症リスクを低くする
1
2