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キャリアアップ塾が続々設立。女性管理職の誕生はオンナにとって朗報か?

キャリアアップ すっかり腰折れした感のあるアベノミクスだけれど、その第三の矢「成長戦略」で高らかに掲げられた女性の活躍推進は数値目標――「2020年までに女性管理職(指導的地位)を30%に」――によって、少しづつ動き出しているようです。  個人的にはバリキャリ増やすより女性の非正規労働比率57.5%という数字の改善が優先課題ではないかと思ったりするわけですが、まあ、それはそれとして。こうした動きに合わせて、女性のキャリアアップを目指すセミナーや私塾が多く立ち上がっています。  例えば、昭和女子大学は今年5月に社会人女性のための「キャリアカレッジ」を開校。「日本の女性をパワーアップし、生涯にわたってサポートする機関」を目指し、その中には、専門家からの講義の中でビジネスプランを磨き、最終的には実際に起業につなげる実践的プログラムなどもあるそう(しかも、資金面も含めたサポートまで!?)。  また、私塾では彩志義塾という一般社団法人が昨年11月に設立されました。主催するのは、『女性が職場で損する理由』『一生働く覚悟を決めた女性たちへ』(いずれも扶桑社)、『「ついて行きたいと」思われる大きな器のリーダーになれ』( ファーストプレス)などの著者の古川裕倫氏。女子学生を対象にした「本気塾」、女性社会人向けの「立志塾」という二つの塾を運営しています。  各塾とも、全6回のプログラムで、課題書を読んで議論をしたり、幹部になる心得や志、必要な経済経営知識についての講義などを通じ、将来幹部を目指す女性の育成をサポートしています。  なんとも意識の高い取り組みではありますが、去る2月17日に行われた彩志義塾の設立記念講演会で、代表の古川氏はこう語りました。 「若い女子学生に『大変だけれどやりがいのある仕事』と『ワークライフバランスを重視して軽い仕事』とどちらがいい?というと、『軽い仕事がいい』と答える人が多いのが現状です。しかし、元ベルリッツ・インターナショナルインク社長の内永ゆか子氏(現在はJ-WIN理事長)の著書『もっと上手に働きなさい。』(ダイヤモンド社)には、こういう一文があります。 ――キャリアップの先にあるのはいばらの道ではなく、秘密の花園である ――キャリアアップは足つぼマッサージのようなものである。最初はイタいがだんだん気持ちがよくなって、最後はクセになる  重責を追うということは大変ではありますが、お給料もよくなります。大きな仕事を任される喜びもある。キャリアアップは楽しいものなのです。それにチャレンジしない理由はたくさんありますが、「失敗を恐れる」人も多いようです。しかし、失敗しない人はいません。これまでの人生と同じように、キャリアアップの最中でも失敗はするものです。しかし、失敗を恐れないことが大事なのです」  また、その後の基調講演に立った昭和女子大学学長の坂東眞理子氏は、「日本の女性たちが活躍していないのは、20世紀後半モデル――高度経済成長期のライフモデル、ビジネスモデルが残存しているのが一番、大きな理由」と指摘。  先日、物議をかもした埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏の、「『性別役割分担』は哺乳動物の一員である人間にとって、きわめて自然」「専業主婦が伝統的家族観」という発言については、「歴史を勉強していない人が言うこと」と一蹴。  かつて日本において女性は社会で重要な労働の担い手であったこと、そこからの働き方の変化、諸外国の取り組み、その中で遅れをとった日本の状況を解説してくださいました。 「私がよく言うのは、日本の企業は女性に対して“き”がないんです。期待がない、鍛えない、機会がない。機会だけではダメで、期待することが大切なんです。マネジメント側は、志を持てるように働きかけるのが大事なんですが、その期待は男性に多く寄せられ、女性に少ないのが現実」という言葉には深くうなずくばかり。  坂東氏は、日本で女性の登用が進まない環境的要因として、「同質社会に慣れてきた、特に伝統ある重厚長大な日本企業は、多様な人材の違いを前提として、共通の目的に向かう『ダイバーシティマネジメント』への恐怖がある」とも指摘されていました。 取締役だとか起業だとか、遠い話ではあるけれど……。もしも自分の上司が、古臭い・汗臭いおっさんではなく、自分にも他人にも厳しいバリキャリとかでもなく、(男性だろうと女性だろうと)「いろんな生き方、あるよね~」って言ってくれる人だったら、それは大歓迎! ではあるのです。 <取材・文/小山武蔵>
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