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ユニクロ、アメリカでの評判は?デニムの聖地に専門ショップも

 クオリティの高さ、プライスの安さなどで老若男女から愛されているユニクロ。日本での人気は言うまでもないですが、アメリカでの評価はどうなのでしょうか? ロサンゼルス在住の筆者がご紹介します。
ニューヨークのユニクロ

ニューヨークのユニクロ(2016)(C)tea

 ユニクロはアメリカでも2006年にNYのソーホーに一号店をオープンして以来、徐々に店舗を増やし、現在では北米に50店(2019年1月31日現在)。メンズ雑誌『GQ』(米国版)が昨年「ベストバイアイテム」にユニクロのフリースを紹介したり、海外のハイブランドとのコラボで話題を呼んだりと、アメリカのファッショニスタからも高い人気を得ています。

「北米で50店」は苦戦?

 2011年にはNYの五番街にグローバル旗艦店を出店し話題になりました。その後、急速には店舗が増えなかったのですが、2014年にはロサンゼルスにも4店舗がオープン。2018年の秋には待望のハワイにも店舗が誕生し、初日は長蛇の列ができるといった盛況ぶりを見せました。  しかし北米進出当初は、2020年までにアメリカに200店オープンする目標だったそうですが、現在では50店にとどまり、一時期は事業拡大に苦戦していると危ぶまれていました。
 その原因とされているのが均一化された商品展開。北米は、アジア諸国と違って人種も様々で体型もバリエーションに富んでいます。北米で販売されている商品の一部は LLサイズなどのサイズ展開を行なってはいるものの、カラーバリエは黄色人種向けのままで、北米マーケットに見合った工夫はされていないようです。  ファストファッションの中でも世界レベルで成功しているZARAは、トレンドを見据えた豊富なデザインを少量生産で展開しています。エリアごとにラインナップも調整しているローカライズを配慮しているのに対して、ユニクロはデザイン数が少なく大量生産をする戦略なので地域に見合ったラインナップが乏しいと言えます。

ストリートスナップをするとユニクロ、MUJIに遭遇

 とはいえ、前述のように、米国『GQ』で今月買うべきアイテムにユニクロのフリースなどの定番アイテムが紹介されていたり、アメリカのファッショニスタにもじわじわと人気が広まってきています。ファッション界ではここ10年ほど、ジャパニーズブランドブームが再燃しているので、その勢いにうまく乗っかったとも言えます。
フェデラー

2018年、テニスのスーパースター、フェデラー選手がユニクロのグローバルアンバサダーに。スイスの選手だが全米オープンなど米国でもPR効果大だろう(C) Zhukovsky

 筆者が日本のファッション雑誌用にLAでオシャレな人を対象にストリートスナップをすれば、10人に一人はユニクロをコーディネートに取り入れ、自慢げに同ブランドの素晴らしさを話してくれます。その理由は、シンプルなデザインと機能性に優れていることだそう。  彼らの多くは、定番のTシャツやフリース、ヒートテック、ダウンベストなどを愛用しています。ここ数年、レイヤードファッション(重ね着)がトレンドということもあり、これらの定番アイテムは重ね着の必須だと言うのです。  一般的なファミリーでは、一度お気に入りアイテムを発見すると色違いで購入するリーピーターも多く、徐々にハマっていくというパターンが多いよう。その魅力は、洗濯しても縮まない、丈夫で長持ちというクオリティの高さにあるようです。  LAでは、MUJI(無印良品)も同じくらいの人気ブランド。どちらもシンプルでレイヤードファッションに最適なジャパニースブランドという位置付けが定着しているようですね。
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デニムの聖地に研究センターとショップ
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