新型コロナウィルスの感染拡大によって、4月から放送開始予定だった連ドラの多くが、放送開始延期を余儀なくされている現在。各局、過去のドラマの再放送などで対応をしていますが、名作ドラマの再放送は視聴者からもおおむね好反応のようです。 　なかでも話題になっているのが、SexyZone・中島健人とKing＆Prince・平野紫耀のW主演ドラマ『未満警察　ミッドナイトランナー』（日本テレビ系・土曜22時～）の放送開始延期に伴い再放送された『野ブタ。をプロデュース』。亀梨和也と山下智久が演じる修二と彰が、堀北真希演じるいじめられっ子の転校生・小谷信子を人気者にすべくプロデュースする青春群像劇である本作は、05年の放送当時、修二と彰が歌う主題歌『青春アミーゴ』がミリオンセラーとなるなど、社会現象となりました。 　最近は視聴率10％を超えれば連ドラの視聴率としては及第点と言われていますが、4月11日に放送された特別編第1回は、11％の高視聴率を記録。4月18日に放送された第2回では、亀梨和也と山下智久からのメッセージが紹介されたことも話題となりました（第3回は4月25日、第4回は5月1日に放送予定）。 『野ブタ。』が放送されたのは05年ですが、「ゼロ年代は、ほかにも小品ながら良作のジャニーズドラマがたくさん生まれた時代なんです」と語るのは、ドラマに詳しいライター・田幸和歌子さん。そこで、ゼロ年代の名作ジャニーズドラマをピックアップしてもらいました。（以下、田幸さんのコメント） 　石田衣良の同名作を原作に、クドカン脚本×堤幸彦の映像という、センスのぶつかり合いが火花を散らし、「新しい時代」を感じさせたドラマ。90年代には『白線流し』『ふぞろいの林檎たちⅣ』などで不遇で影のあるナイーブな美少年を演じていた長瀬智也が、「真っすぐなおバカ主人公キャラ」を獲得したのも、この作品からです。 　窪塚洋介、妻夫木聡、小栗旬など、豪華な顔ぶれも見どころですが、どうしても忘れられないのが、本作で連ドラデューを飾った山Pの儚げな美少年ぶり！　ロッカーから、舞い散る黒い羽とともに遺体が出てきたときの衝撃は、ゾッとするほどの美しさがあり、いまだに忘れられません。 　堤幸彦演出で、手数の多いコネタと青臭さを存分に散りばめた秀作。二宮和也、山下智久、成宮寛貴、小栗旬というイケメン豪華4人衆を揃えておきながら、繰り広げられるのはひたすらダサくモヤモヤした「童貞トーク」。 　テーマ性のせいか、高視聴率を記録することはありませんでしたが、そのダサさこそが愛おしいドラマ。童貞トークが甚だし過ぎて、大きな声で「好き」とは言いづらいけど、大好きな作品です。 　小川彌生原作の人気漫画をドラマ化。仕事にも恋にも疲れた新聞社勤務の才女・スミレ（小雪）がある日道端で出会った少年・モモ（松本潤）。段ボールに入った傷ついた美少年を拾って、ペットにする……ドルオタであれば、誰もが一度は妄想したことのある物語でしょう。 　スミレを一方的に癒す役だったはずのモモも、実は将来のプレッシャーから逃げ、ペットと飼い主という契約関係に安住を求めていることがわかってくると、二人はペットと飼い主という関係から徐々に変化していきます。コロナによって疲弊しきった現在、実はかなり需要がありそうなドラマ。 　ちなみに本作は、11年にはチャン・グンソク主演で映画化され、現在は入山法子と志尊淳バージョンがFODで全話配信中という人気ぶり。夢のようなシチュエーションすぎて、「自担（自分の推し）でぜひ『きみはペット2』をやってほしい」と考えたことのあるジャニオタは山ほどいるはず！ 　草彅剛主演で余命を前向きに生きる姿が共感を呼んだ『僕の生きる道』（03年）と、自閉症の青年を描いた『僕の歩く道』とで「僕シリーズ」と言われる橋部敦子脚本三部作の一つ。一般的には、第一作目の『僕の生きる道』が高い評価を得ていますが、自分が何度も泣かされたのは第二部のこれ。 　仕事一筋だった銀行員が、妻に家を出ていかれ、一人娘・凛（美山加恋）を自分で育てることに。娘を媒介として、徐々に人間らしさを取り戻していく「父の心の成長物語」と、頼りない父子の助け合いの姿には、ホロリ。草彅の繊細な演技を連ドラでまた観たい！　圧倒的に草彅不足です。