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“不妊治療を取り巻く状況このままでいいの?”ツイートに大反響。投稿者を直撃

 5月2日に内閣府が、少子化対策の方針を5年ぶりに見直すための、「少子化社会対策大綱(第4次)案~新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ~」に対するパブリックコメントを募集しました。 不妊治療には自然妊娠についての正しい知識も必要 それを受けて、漫画家のとあるアラ子さんがTwitterで 「【結婚・不妊治療・妊娠・出産・子育て】に意見のある全ての女たちに聞いて欲しいんだけど政府が2025年までの少子化対策の指針のパブリックコメントを募集してるよ!  ここで意見を送らないと数年間の児童手当や不妊治療助成金などが勝手に決まってしまいます! 意見を送ろう!」  と呼びかけたところ、1.7万件を超えるリツイート、1.1万件を超える「いいね」がつき大きな反響が寄せられました。  パブリックコメントとは、公的な機関が規則などを制定するときに、広く公に意見や改善案などを求める手続のこと。今回の少子化社会対策について意見を送る手順は、内閣府のホームページでPDFで公開されている「第4次少子化社会対策大綱(案)」を読み、対する意見を意見フォームに入力するという形。ちなみに、現在募集は終了しています。  なかなか馴染みがないパブリックコメントという存在を、今回のアラ子さんの呼びかけで初めて知った人も多いと思いはず。しかし、なぜここまで投稿がたくさんシェアされたのでしょうか。とあるアラ子さんに、Twitterで呼びかけた経緯や反響について聞いてみました。

「一見小さく見える行動にも意味があると考える人が増えた」

(画像:不妊・不育治療の環境改善を目指す当事者の会 Twitterより)

(画像:不妊・不育治療の環境改善を目指す当事者の会 Twitterより)

 パブリックコメントが募集されていることは、不妊・不育に関する最新の情報や活動報告をたくさん発信している「不妊・不育治療の環境改善を目指す当事者の会」のツイートで知ったというアラ子さん。 「『不妊・不育治療の環境改善を目指す当事者の会』のヘッダーとアイコンのイラストを描いた縁で、会のツイートを日常的にチェックしていましたが、そういうことがなければ、パブリックコメントの募集なんて知らなかったと思います。  特に今回はゴールデンウィーク中というタイミングに加え、締め切りもタイトな募集だったようですし……」  確かに、パブリックコメントの募集の公示は5月2日で、締切は5月11日。本気で意見を募集したいのか疑わしいほど募集期間が短いですが、なぜここまで拡散されたのでしょう。 「出産や妊娠が多くの人にとって興味深い話題だというのもありますが、緊急事態宣言中だったことも後押しになった気がします。  10万円の一律給付もSNSでの声が政府に届いた結果だと言われていますよね。パブリックコメントのような一見小さく見える行動にも意味があると考える人が増えたのではないでしょうか」(とあるアラ子さん)

今回の少子化社会対策大綱(案)は不妊・不育についての対策案が足りない

妊娠・出産 また、今回のパブリックコメントが募集された「少子化社会対策大綱(案)」について、「不妊・不育についての対策案が足りない」という声が多かったように思えるというアラ子さん。  大綱案は、育児休業給付金や児童手当の充実などを掲げています。ですが不妊・不育治療について触れられていたのは、全55ページのうち、たった1ページだったとか…。 「現在、夫婦の約5.5組に1組が不妊の検査や治療を受けたことがあると言われています。  こういう話を聞いたとき“日本は晩婚化してるから仕方ないよね”と思いがちですが、『不妊・不育治療の環境改善を目指す当事者の会』のメンバーとジネコ社が共同で行った不妊治療経験者へのアンケート(回答者数2273人)によると、44%の人が20代で治療を初めていたそうです。  世間が想像するよりもずっと、高齢以外の原因の不妊が多かったのです」(とあるアラ子さん)  若い人ならすぐに妊娠できるのでは? と思いがちですが、実は若い夫婦は収入が少ないことが多く、体外受精などの高度生殖医療になかなか踏み切れず、比較的安価なタイミング法や人工授精を繰り返してるうちに妊孕性(妊娠する力)が低下してしまうなどの問題も起きているとのこと。  不妊治療には、多額の費用が必要です。  Webメディア「妊活ボイス」の調査(※)によると、人工授精・体外受精・顕微授精のいずれかを経験した人の平均費用は約134万円で、さらに、もっと費用がかかる高度不妊治療(体外受精・顕微授精)の経験者となると、その治療費の平均は193万円まで上昇します。

不妊治療は、ほとんどが保険の適用外

不妊治療

写真はイメージです

 アラ子さんは、少子化対策について「子供を増やしたいなら政府はまず『産みたい人』をサポートして欲しいです。そのために不妊治療の保険適用化が必要だと思います」などと、パブリックコメントに意見を記入したそうです。  不妊・不育は個人の問題ですが、少子化は国の問題。そのためにも不妊・不育治療に、保険を適用してほしいという意見は多く、たびたび議論になっています。  アラ子さん曰く「不妊治療には助成金制度がありますが、金額も十分とは言えず、所得制限もあります」とのこと。確かに、不妊治療は、最初のうちの検査や投薬以降はほとんどが保険の適用外で、治療費の負担が大きいのが現状。 「特定不妊治療費助成制度」という、体外受精と顕微授精にかかる費用の一部を助成してくれるという制度もありますが、43歳以上はもらえないという年齢制限付きです。  また、不妊治療の保険適用に反対意見を唱える人も多く「病気ではないものに国民健康保険を使うのはどうか」「できるかわからないことにお金をかけるより、今困っている人たちを救う方が先では」「不妊治療をしたからといって必ずしも子どもができるとは限らない」「保険適用にすると不妊治療の希望者が増えて多くの財源が必要になる」といった意見も…。
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自由診療のため、クリニックごとに医療格差がある
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