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「美容室の倒産ラッシュがくる」苦しむ美容師たちの、生き残る戦いとは

 新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続く中、緊急事態宣言が解除されても「美容院に行きたいけど、行っていいのか迷う」という方は多いはず。
美容院

写真はイメージです(以下同)

 理美容室は客とスタッフが近距離で接するにもかかわらず、政府からの休業要請の対象とはならず、自主的に休業しても「感染拡大防止協力金」の対象からは外れています。(※ただし一部自治体・一部期間では特別対応も)  このような背景から、多くの美容院は「補償が全くない(または十分でない)状態で休業する」か「経営のため身を危険に晒しながら営業する」という究極の選択を迫られることとなりました。今回、コロナ禍の中で営業を続けてきた3人の美容師に話を聞きました。

15万円の給付金は、1日の平均売り上げの半分にも満たない

 都内の美容院で店長を務める男性の足立さん(仮名・27歳)は、「この状態が続けば潰れる美容院はたくさん出てくる」と予測しています。足立さんのお店は、緊急事態宣言が出されたあと、一週間は臨時休業にしたものの、そのあと営業を再開しました。 「『理美容室は生活をする上で必要な事業』という国からの話を踏まえて、スタッフと話し合って営業を続けています。ご来店のお客様へマスクを配布して、スタッフ含めマスクをした状態での施術、換気、アルコール消毒を徹底していることをSNS等で発信していますが、それでも約7割の予約が減りました。売り上げは、美容室をオープンしてから過去最低。予約を空けているのも不安です」 美容師 営業に踏み切ったものの、客足は遠のき売上も減少。しかし、美容院は休業要請の対象外となっているため「感染拡大防止協力金」の受給もできません。東京都は、GW中に自主休業した理美容室に対して15万円(2店舗以上有する事業者は30万円)を支給すると発表しましたが、その対応も十分とは言えません。 「私のお店では、15万円という金額は1日の平均売り上げの半分より若干少ない額です。もちろん頂けるのは本当にありがたいですが、固定費などを考えても少なすぎるというのが本音。  政府や自治体は、補償金額のアップや融資、その他さまざまな対応を、スピード感を持って行ってほしいです。補償金額が少なければ、自主休業には踏み切れません」  実は、美容室の倒産ラッシュはコロナ前から始まっていました。2019年、美容室の倒産は105件、休廃業・解散は259件と過去最高(東京商工リサーチ調べ)。店舗数が多すぎるうえ、1000円カットなども登場して苦しむ業界が、コロナでさらに追い込まれています。

店舗外での活動を強化。今はYouTubeの配信に力

 田中さん(仮名・33歳)が店長を務める美容院では、お店の営業と並行してYouTubeチャンネルを運営しています。国に補償を求める声が多いなか、田中さんは「政府や自治体にあまり多くは望んでいない」と語ります。 「緊急事態宣言で、お客様の予約はかなり減りました。うちのサロンは幸いにもYouTubeをやっているので、空いた時間で撮影をしています。自分たちが今できることを考えて、自粛されている方のためにご自宅で綺麗になれる方法などを配信できたらいいなという気持ちになりました。  政府や自治体に多くは望んでいなくて、自分たちができることをやればいいと思っています。スタッフみんなで、ピンチはチャンスだと話しています」 YouTubeの撮影 田中さんが勤める美容院のように店舗以外の活動がある場合は、コロナ禍の中でも気持ちに余裕ができるでしょう。このように、美容師がオンライン上で活動する動きは広がっています。収益化には時間がかるものの、ファンを増やすための一歩として取り組む店が多いようです。
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