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春ドラマ名作ベスト3。千葉雄大『いいね!光源氏くん』を超えた作品は?

 2020年4月クールのドラマがすべて最終回を迎えました。  そこで、今クールも僭越ながら、わたくしドラマウォッチャーの中村裕一がベスト3を選ばせていただきました。みなさんの評価はいかがでしょうか?(※4月スタートで最終回まで完走した作品のなかからセレクト)

第3位 『いいね! 光源氏くん』奇想天外な設定ながら優雅で趣のある作品

(画像:『いいね!光源氏くん』NHK公式サイトより)

(画像:『いいね!光源氏くん』NHK公式サイトより)

 まず3位は『いいね! 光源氏くん』(NHK総合)。  原作は、えすとえむの同名漫画。「源氏物語」の中で雅(みやび)の世に生きていた平安貴族・光源氏(千葉雄大)が現代に突如出現。自分に自信がない地味なOL・沙織(伊藤沙莉)の部屋に転がり込み、奇妙な毎日が始まります。  抹茶ラテフロートやネイルに感動して一句詠む源氏の姿をコミカルに描くだけでなく、沙織の目を通して平安時代の男性の価値観や女性に対する考えなどが浮き彫りにされていくところが興味深かったです。
 最終回、同じくこの世界にやってきた頭中将(桐山漣)を「どんな名で呼ばれたかではなく、どう生きたかのほうが遥かに大切ではないのか? 自分が何者であるかなど些細なことだ。今、目の前にある物事を楽しめばいい」と励ます源氏。そして車に撥ねられようとした沙織の身代わりとなり、彼女の目の前で元の世界に帰っていった……と思いきや、再び彼女の前に姿を現すのでした。  韓流ドラマを彷彿させる奇想天外な設定ながら、忙しい毎日に流され慌ただしく生きる私たちに、ちょっとだけ立ち止まって周りを眺める余裕を持てたらいいね、と語りかけてくるような、優雅で趣のある作品だったと思います。

第2位 『捨ててよ、安達さん。』虚実入り混じった重量感と不思議な感覚

(画像:『捨ててよ、安達さん。』テレビ東京公式サイトより)

(画像:『捨ててよ、安達さん。』テレビ東京公式サイトより)

 2位は『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京)。  女性向けのライフスタイル雑誌から「毎号、私物を一つ整理してほしい」という企画の依頼を受けた女優・安達さん(安達祐実)。  その日から、彼女の代表作と言われている作品の完パケを焼いたDVD(第1話)、輪ゴムとレジ袋(第2話)、大好きな小説の単行本と文庫本(第7話)などが擬人化されて彼女の夢の中に現れ、それぞれの想いをぶちまけてゆきます。  最終回、安達さんはいつも夢の中にでてくる謎の少女=へその緒(川上凛子)との会話を通じ、自らの母に対する思いと真正面から向き合います。  そして夢から覚めた後、「誰からも好かれたがるダメな自分も捨てないし、子どもへの執着も捨て……られないし、母との縁も捨てないし、へその緒も捨てない」とマネージャーに語り、「これ以上捨てない」生き方を選ぶのです。  その表情は「私は誰のものでもない、自分自身の足で歩いていくんだ」という晴れやかな笑顔に満ちていました。
 かつてドラマ『家なき子』で天才子役として国民的人気を誇った“女優・安達祐実”とオーバーラップする瞬間が非常にリアルでもあり、安達の迫真の演技と相まって、虚実入り混じった、まるで一つの演劇や映画を見ているかのような重量感と不思議な感覚が心に残るドラマでした。  また、オープニングのVaundy「Bye by me」、エンディングのSpecialThanks「明日も明後日も」も作品にマッチした素敵な曲でしたね。
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