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“自称・業界人”の会話を盗み聞き。「宇多田ヒカルに電話したらさぁ」|辛酸なめ子

いまどきの男を知る会 ファイルNo.25 自称・業界人男子】 ファイルNo.25 自称業界人男子 感染防止策として人との接触を減らしたり、飲食店の時短営業が要請されたりしていた中、数少ない飲みの機会ではじけてしまう男性も少なくないようです。  このところ、レストランや居酒屋などで隣の席から聞こえてくる話が、業界人っぽいトークだったことが何度かありました。しかもこのご時勢に声がやたら大きくて店内に響き渡っていたり、内容も盛り気味だったり……。フラストレーションがたまっている人が多いようです。

“クリエイティブな仕事”アピールする男性

 例えばウォーターフロントのレストランで……。40代位の日焼けした男性が、若い女性に対し、「高輪と中目を行ったり来たりでさ〜。家賃が50万もして」と、自慢げに話す声が聞こえてきました。8000円くらいのシーフードセットを頼んでいるので経済的余裕を感じさせます。
クリエイティブな仕事アピールをする男性

写真はイメージです(以下同)

 その男性が言い放った「クリエイティブな仕事はランチタイムが長いから」という一言が印象的でした。そんな法則があったとは……。ランチタイムを長めに取ってリラックスすることで、発想が生まれやすくなるのかもしれません。  ちなみに昔、クリエイティブな方々とランチ打ち合わせをした時は、そのカフェのメニューのデザインやキャッチフレーズにいちいちダメ出ししていたので、そういったことで時間が伸びていくのかもしれません。

うんちくトークを自慢げに披露

 その後のウォーターフロントの業界人男子の会話は、「東京タワーは元電波塔だから」と、だいたい誰でも知っているような内容でしたが、同席の女性が「私何も知らなくて……電波塔だったんですね」とか持ち上げるので、どんどん声が大きくなっていきました。聞き上手の女性が、業界魂を育てます。 うんちくトークを自慢げに披露 別のカフェで見かけた男女も、「日本の夜の風俗は、ステップ1からステップ3までわかれている。概念は説明できても内容は説明できない」と、男性がやたら回りくどく秘密めかして語っていて、女性が「知らない世界です……」などと言うので、男性は嬉しそうでさらにうんちくトークを続けていました。  その後、宝くじはいかに胴元が儲かるシステムかなどについて語っていました。感心したように相づちを打って話を聞き続ける女性は優しくてモテそうですが、男性のエゴを肥大化させてしまいます。  いっぽうで、女性のリアクションがいまいちでも構わずに話し続ける自称業界人男性を目撃したことも。
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下町のお好み焼き屋で…
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