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かわいいオコジョの看板、化粧品会社の広告がなぜ?狙いを聞いた

 商品の広告や看板というと、その多くは商品の画像がどーん!と大きく掲載されていたり、商品の良さやキャッチコピーがこれでもか!というほど書かれているものが大半を占めています。 「広告なんだから当然だろう」と言われれば確かにその通りですが、今年の夏に表参道駅の構内に登場し、話題を集めた看板があります。それは看板の半分が可愛らしいオコジョ(ヤマイタチ)が“ちょこん”と雪原にたたずんでいるものでした。
オコジョ

今夏、表参道に突如登場し話題を呼んだ広告

727-3 そしてもう半分に書かれている言葉は、「ほとんどの方はおそらく看板広告なんてご覧にならないと思いますので、好きなことを書いても問題がないということに気付いてしまいました」と、なんとも謙虚。看板なのに謙虚すぎます。

「好きな動物はオコジョです」

 さらに次の一文は、「好きな動物はオコジョです」。  謙虚が度を超え、なんかもう違う方向性に突き進んでいる。ここまで見ると「自由な社風の動物園の広告なのかな」と思いきや、「飼いたい気持ちをグッとこらえ、ネット検索の画像を見るだけでも幸せになれる派の化粧品会社・株式会社セブンツーセブン」と書かれているではありませんか。  たしかに、コロナ禍でやさぐれた心を動物の画像や動画を見て癒されている方も少なくはないはず。でもまさか、化粧品会社の看板とは。きらびやかな芸能人や外国人のモデルさんもいなければ、商品の画像すらありません。  いるのはオコジョだけ。なぜ……?  そこで、同社の企画室 磯島裕介室長にオコジョの看板の真意を電話で直撃してみました。

足し算の宣伝より、引き算の宣伝。多くを語らないことで人々の好奇心を掻き立てる

 オコジョの看板について尋ねたところ、 「正直、社内では(猫の)マンチカン派とオコジョ派の一騎打ちでした。でも社内会議を重ねた結果、僅差でオコジョに負けてしまって。私の力不足です。本当に悔しいっ」  違う、聞きたいのはそこじゃない。でもその平和な派閥闘争には物凄く惹かれますが……。マンチカン派の磯島さんはこう続けます。 「株式会社セブンツーセブンは大阪に本社を置く“美容室専売の化粧品メーカー”として、研究や開発、製造販売を自社で行っています。あの看板は『コロナも含め暗いニュースばかりが続く中で、誰も傷つかずに見たひと人がほっこりする看板があってもいいのでは』という思いから考えました」  確かに、商品の紹介は一切なくても、心がどこかほっこりする文面と写真に少し癒された気がします。 「そう言っていただけると嬉しいです。それに人と話しているとき、自分をよく見せようとしたり、自慢話ばかりしてしまうと聞いている人はちょっと疲れてしまうじゃないですか。それは広告も同じだと思うんです。他社と同じことをしていては埋もれてしまいますしね。そこで、一方的に自分を伝えるのではなく、引き算というか“あんまり物を言わない企業”があってもいいのではないかな、と考えたんです」  SNSを見ても、「一体何の会社?」「化粧品会社なのに一切商品の説明がないって逆に気になる」など、好奇心を掻き立てまくりのユーザーも相当いたようです。 「わが社の広告・宣伝は、テレビやラジオCMではなく、あくまでも街路や田畑に設置する“野立て看板”にこだわりを持っています。独自性を追求した結果です。王道の宣伝ではなく、『なんかおもろいことをしたいよね』という思いも強いですね」(磯島さん)
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ウィキペディアをそのまま載せた新聞広告

 また、昨年は大手新聞の広告一面を使って、「自社のウィキペディアのページをそのまま広告として掲載した」というから驚きです。許可はもちろんとったのですが、先方に「そのまま使うなんて、世界でも例がない」と驚かれたとか……。
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野立て看板の点検方法は”新幹線から目視”
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