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エリート夫の暴言に泣く日々…妊娠中にDVシェルターに避難した妻の決断

 仕事に精を出す、結婚して家に入る、はたまた子を持ちながら働く、など現代の女性は選択肢が多い。そして、隣の芝生は青く見えるのか、時折周りの同年代の女性がひどく羨ましく思えることがある。しかし、実際はどうなのか。みんな幸せな一面しか見せていないだけなのではないだろうか。そんな30代の女性のリアルに迫る。 結婚破綻 今回は、真面目な銀行員と結婚したはずなのに、結婚した途端夫が豹変してDVを受けてしまった彩花さん(仮名・36歳・IT会社に勤務)に話を聞いた。

「出ていけよ」…まじめな彼が、結婚したら暴言を

 それまでお金にだらしない借金まみれの彼氏と付き合っていた経験から、次に付き合うなら「お金にきっちりした真面目君な銀行員がいい」と、知人に「銀行員で誰か良さそうな人はいないか」と紹介してもらった。紹介者は真面目君な銀行員の上司だった。その人いわく「仕事でも真面目過ぎるくらいで、本当にきっちりした優秀な男性」とのことだった。
彩花さん

彩花さん(仮名・36歳)。ハードな体験なのに、ユーモアをまじえて淡々と語る

 そして無事銀行員と交際、結婚を果たした彩花さん。お付き合いしてみると真面目だけどユーモアもあり、いつも会話が弾んで楽しく過ごしていた。しかし、いざ結婚してみると、彼はまるで人が変わってしまった。 「食事中、口を開けてクチャクチャ音をたてて食べるようになって極端に行儀が悪くなったんです。それまで1年ほど同棲をしていたのですが、そのときはそんなことはありませんでした。どうやら彼いわく、それが家族の前で見せる姿らしいんです。どんな夫婦でも結婚したら今まで見えなかった一面が見え始めたということはあると思うのですが、彼の場合はあまりにも急激に変わったのでびっくりしてしまって……。  それに加えて、暴言も始まりました。それも、まるで思春期の中学生男子が母親に言うような、『消えろ』とか『出ていけよ』といった幼稚な暴言でした」

セックスレスになって人工授精に踏み切る

 また、彩花さんは子どもが欲しいと思っており、彼もそれに同意していたが、結婚してからセックスレスになってしまった。結婚してからレスになる話はよく聞くが、彩花さんの場合、その理由がひどかった。彼女は幼少期のケガで背中に手術の跡があった。セックスレスになった理由を彼に聞くと、「背中を見ると萎えるんだよ」と言われてしまったという。
セックスレス

以下、画像はイメージです

 それでも子どもが欲しくて、最初は自然妊娠をしようと、ふたりでカレンダーを見ながら「この週、排卵日だから頑張ろう」と話していた。だが、いざその日になると夫は残業をしたり会社の人と飲みに行ってしまったりして、深夜に帰宅。そして疲れているからと行為を拒否。彩花さんは家で一人孤独に泣きながら待っていた。結局、自然妊娠はあきらめることにした。  そして、次に彩花さんが取った手が、病院で夫の精子を採取して子宮に入れる人工授精だった。人工授精は体外受精や顕微受精と比べると費用は抑えられるが、不妊治療自体が肉体的・精神的苦痛を伴う。彩花さんはこの妊活のために有給を使って会社を休み、無事子どもを授かることができた。  ところが、彩花さんが妊娠すると夫の暴言はさらに酷いものとなった。妊娠初期は特に体に気をつけないといけない時期なのに、何もフォローはなかったという。
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妊娠8ケ月、DVで警察ざたに
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