ジェーン・スー×神田伯山の妻・古舘社長「女のお悩みを分解してみたら…」
コラムニスト、ラジオパーソナリティ、作詞家などと幅広く活躍しているジェーン・スーさん。ラジオ番組「ジェーン・スー 生活は踊る」(TBSラジオ)では日々リスナーからのお悩みを受け止め、その切れ味鋭い助言には大きな反響が寄せられています。
先日、上梓した著書『女のお悩み動物園』(小学館)では、悩みを抱えている女性の特徴と傾向を16種類の動物になぞらえて相談事を分類し、悩みごとへの向き合い方や解決方法を紹介しています。
今回は、スーさんとプライベートで深い親交があるという、古舘理沙さんをお迎えして話を聞きました。古舘さんは講談師・神田伯山の妻であり、伯山氏のマネジメントや、YouTubeチャンネル「神田伯山ティービィー」の制作・プロデュースをてがける冬夏株式会社の社長でもあります。お2人に、女性の悩みが生まれる理由や、その背景について話を聞きました。
――はじめに、お2人の親交のきっかけを教えて下さい。
ジェーン・スー(以下、スー): 2年ちょっと前に、神田松之丞(当時)さんのイベントに呼んでいただいて。
古舘理沙(以下、古舘): それで、たまたま家が近所だということが判明して…。そこから家族ぐるみでお付き合いをするようになったんです。スーさんと元々お知り合いだった作家の山内マリコさんを交えて3人でご飯を食べたり、私の家に集まったりして。そこからどんどんアマゾネス軍団の酒盛りのようになっていきました(笑)。6時間くらいしゃべってたこともありましたね。
スー: 楽しかったですね(笑)。
――スーさんは、いろんな場面で「女友達は唯一元本割れしない資産」とおっしゃっています。お2人のように、大人同士、女友達の関係性は素敵だなと思います。一方、『女のお悩み動物園』の中でも相談がありましたが、女友達がいない、できないという悩みを抱えている人もいますね。
スー: 私は純粋に、女友達に助けられたことが一番多いので、友達に対して気持ちをかけていくというのが自分の精神衛生上には一番いいと思ってます。ただ、もともと友達付き合いがあんまり好きじゃない人が、まわりの女性たちに友達がいるからって、自分に友達がいないことを引け目に感じて無理に作る必要はないと思う。逆に知り合いがたくさんいるけど親友と呼べる人がいない…となると、むしろそんな都合のいいマジカルフレンドみたいな人は出てこない(笑)。親友がいる女性に憧れているだけかもしれません。
――最初から、自分に都合のいいことをしてくれるような親友を求めても、できるわけないと。
スー: 彼氏以上に難しいですよね。自分がこの人に気持ちをかけられるか、がないと。
古舘: 私は中高女子校なので、女性同士のほうが基本的に楽、というのがあります。スーさんとか山内さんとか、大人になってパッとできた友達は、縁とタイミングですよね。大人になったら人それぞれ状況が変わるので、週1で会わなきゃ、とか毎日LINEしなきゃ、というわけではなくて、困ったときは助け合おうね、という感じで友達とは無理せずゆるゆるとつながっています。
――先程スーさんがおっしゃったように、女友達をめぐるお悩み1つとっても、女友達が本当に欲しいのか、女友達がいる人に憧れているのか、都合のいい友達がほしいのか…などと、悩みの本質は違いますよね。『女のお悩み動物園』ではこのような、悩みの本質や背景についてたくさんの助言が書かれていて目からうろこでした。
古舘: スーさんは因数分解が早い人なんで、お悩み相談をしている本人すらわかっていないことを「これが本題ですね」ってパパっと交通整理してくれるんです。決して押し付けがましいわけじゃなく、「こういうやり方もありますよ」って包み込む感じで。お悩みに対して、「これって社会構造の問題じゃないかな」ってズバッと言っているお悩み相談は初めて見ました(笑)。画期的だし、他にはないですよね。
スー: ありがとうございます。一生分褒められました(笑)。悩みって、いろいろ分けられると思うんです。例えば、社会構造が不均衡だから自分がワリを食っていたり、思うように成果がでなかったりすることは、もしかしたら個人の責任とは全く関係ないところに原因があるかもしれない。もしくは、人を思い通りに動かしたいっていう単なるわがままを、悩みという体で言ってるとか。さっきおっしゃっていただいた因数分解みたいなことの手助けになればいいなと思って…。
ご近所さんで集まるアマゾネス軍団?
「社会構造の問題じゃないかな」ってズバッと言うお悩み相談は画期的
