こじらせイケメンの妙な自意識「いま洗脳に興味があります」|辛酸なめ子
【いまどきの男を知る会 ファイルNo.28 こじらせイケメン】
イケメンはリア充でモテモテで人生を謳歌している……そんな画一的なイメージを抱きがちですが、実際はイケメンであることを生かしきれず、悶々としている人は少なくないようです。
スピリチュアル系の出版社、ヒカルランドに勤める20代の若手社員、須崎竜太氏は一見さわやかな癒し系のイケメンながら、周りの友人から話を聞くとただの好青年ではないようです。
歩いていたら突然地面にスライディングして大地にうつぶせになる癖があるとか(これが本当の地面師でしょうか)、会話の中で5回くらい「俺は顔がいいから」というワードが出てくるとか、エピソードに事欠きません。
ぜひ取材したいと申し込んだところ、本人から「『こじらせイケメン』というジャンルで取材していただくのはいかがでしょうか?」というありがたい提案をいただき、その方向で話を伺いました。
職場から近い飯田橋のカフェにて、須崎氏のこれまでの半生について話を聞かせていただきました。
「中学生の時、かっこいい先輩を研究して、こういう感じでやればモテるんじゃないかって真似したらめちゃくちゃモテました。しゃべらないようにしてボロが出ないようにしたんです。しゃべると何言ってるかわかんないし、偉そうだし上から目線だと言われる。会社でもよく態度が偉そうだって注意されます」
ちょうど話を聞いたときは、会社でモメていたようでした。人間関係もこじらせると大変です。
「とにかく中学時代は告白されまくってバラ色でした。ずっとサッカーをやっててそれなりに強いクラブチームに入っていたというのもあるかもしれません。そのあと音楽好きになって関心がサッカーから音楽に移りました。狭山ヶ丘高校ではうるさくしゃべりすぎたせいか全然モテなかった。他にかっこいい王子様キャラみたいな同級生がいっぱいいたんです。
僕はそんな中、なんで顔面偏差値47くらいの同級生女子に上から目線で批評されないとならないのか……と傷付いて、思春期のプライドがえぐられました」
埼玉出身の須崎氏は女子の顔面偏差値を埼玉県内の高校名に例えていましたが、差し障りがありそうなので校名は伏せさせていただきます。悶々としていた高校生活を打破するきっかけとなったのは、語学への興味でした。その高校は修学旅行がなんとロンドンとパリ……英会話の勉強をして臨んだら現地の女子と会話が弾んだ成功体験がきっかけで、英語の勉強に没頭。欧米人女子にモテだしてまたもやバラ色の人生が戻ってきたそうです。

人間関係もこじらせてた
