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大反響「木のストロー」を生んだ女性社員のド根性 「会社は猛反対でした」

 ある時ふと、会社で、頑張り方がわからなくなる……。誰にでもそんなことがあるのではないでしょうか。  住宅会社のアキュラホームで広報を担当する西口彩乃さん(1989年生まれ)も、そうした体験があると話します。 木のストロー 実は西口さんは、広報の仕事をしながら、2018年に“世界初”の木のストローを開発してしまった人なのです。その過程は昨年刊行された著書『木のストロー』で描かれていますが、まるでドラマ『下町ロケット』のよう。モノづくりの素人だった若い女性社員が、なぜ住宅会社と関係なさそうな木のストローを開発したのでしょうか?

“世界初”の木のストローを開発した若い女性社員

 営業時代には、入社2年目で営業成績全国3位、所属する等級ではトップになったこともある西口さん。  でも、ある日突然、営業から全く未経験の広報に異動となり、「何をどう頑張っていいかもわからなくなりました」と、西口さんは言います。見かねた上司は、彼女を、国土交通省の記者クラブというところに連れていきます。
西口彩乃さん

西口彩乃さん

「まずこの記者クラブに通って、記者の方に顔を覚えてもらうところから始めようと考えました。でも、そこに集まる記者の方は、男性のベテラン記者がほとんどで、みな忙しくピリピリしており、とても気安く話しかけることはできませんでした。  時には、差し出した名刺を投げられたこともあります」

だめ社員から営業トップに

 でも、彼女は「ガッツの人」です。もともと、営業時代もそうでした。彼女は決して、バリバリの営業ウーマンタイプではありません。 「入社したばかりのころは、日報の今日の行動という項目に『作業しています』と書いたり、目標を『ぼーっとしません』などと書いていた、だめ社員でした。  しかも、入社早々、不注意から車で自損事故を起こしてしまったんです。営業に必須だった車の運転ができなくなってしまい、しばらくは事務をしていましたが、どうしても営業をしたくて上司に頼み込んで、例外中の例外で、車なしでの営業を認めてもらいました」  車がないと移動にも時間がかかり、あまりたくさんのお客さんに対応できません。それでも西口さんはお客さん一人一人にとことん向き合い、全国トップの成績をおさめました。  入社2年目の女子が、車なしでトップになったということで、社内ではちょっとした話題になったようです。  そんな彼女なので、慣れない広報の仕事も、持ち前のガッツで切り拓いていきます。  そうして数年がたち、仕事にもずいぶん慣れた2018年のお盆休み、西口さんは、一本の電話を受けました。
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女性ジャーナリストからの電話
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