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謎の“UFO住宅”がなぜ群馬県に?ビックリ建築の正体を追う

 ビックリ建築マニアの間でカルト的な人気を誇る住宅がある。それがUFOの形をした“未来の住宅”フトゥロだ。
1968年にフィンランドでつくられたUFO型住宅フトゥロ

1968年にフィンランドでつくられたUFO型住宅フトゥロ

 この奇妙な家が生み出されたのは1968年。SF映画の金字塔、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」が公開された年だ。翌69年にはアポロ11号が月面着陸に成功している。そう、世の中の人々の関心が宇宙に向けられていたそんな時代につくられた夢のスペース・ハウスなのである。
フィンランド製UFO型住宅フトゥロ

白井良邦氏の著書『世界のビックリ建築を追え。』には、フトゥロをフィンランドまで追いかけたレポートがオールカラーで紹介されている

1968年に生まれ、世界で大ヒットしたUFO住宅、フトゥロ

 まずはフトゥロについてご説明しよう。  フィンランド人建築家のマッティ・スーロネンは、友人からスキー場に別荘をつくりたいとの相談を受けた。しかしその土地は急斜面で道路も通っていないような場所だった。そこでスーロネンが考えだしたのが軽量で移動が簡単にできる組み立て式の住宅だった。  素材はFRP(繊維強化プラスティック)を採用。工場で外側の上下16のパーツと内装ユニットを作り、現場へ運び組み立てるのだ。自然界にあるキノコなどを模して丸い形にし、そこにスペース・エイジ・デザインの味付け、すなわち宇宙や明るい未来を感じさせるUFOの形にしたというわけだ。
フィンランド製UFO型住宅フトゥロ

フトゥロの内部。60年代が夢見た、近未来的なインテリアだ。©Matti Suuronen/museum of Finnish Architcture

 奇抜なデザインのフトゥロは世間の注目を集め、大ヒット。アメリカ、ソビエト、南アフリカ、フランスなど、世界中へ輸出された。しかし1973年に起こったオイルショックにより原油価格が高騰すると、プラスチィック製だったがゆえに生産中止に追い込まれてしまう。そしていつしか人々から忘れ去られ、歴史の中へとうずもれてしまったのだ……。

忘れ去られたUFO住宅が、群馬県・前橋市にあった!

 そんな失われた住宅が群馬県にある建築専門学校に置かれているという。その姿を捉えるべく、からっ風吹く冬の前橋へと向かった。JR前橋駅南口から徒歩で、どこにでもある平凡な住宅地を進む。15分ほど進むと突如目の前に白くニブく光る物体が現れた。「おぉ……」声が漏れる。学校の駐車場にその伝説のフトゥロはあった。
フィンランド製UFO型住宅フトゥロ

駐車場に置かれたフトゥロ。直径は8メートル。でかい……

 でもなぜ60年代のフィンランドで生まれた住宅が遠いここ日本にあるのか? さっそく「フェリカ建築&デザイン専門学校」校長の仲川孝道氏にその経緯を聞いてみた。
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なぜ前橋の学校に貴重なUFO住宅が?
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