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“東京の病んだ子”に憧れて結婚した男性が見た、想像以上の地獄

ぼくたちの離婚 Vol.19 嘘つきと酔いどれ #1】  日本では、離婚後に「共同親権」が認められていない。そのため、時として、離婚の際に親権を巡って壮絶な争いが繰り広げられる。都内の光学機器製造会社に勤める岩間俊次さん(仮名/44歳)も、そうした事態に陥った一人だ。ただ、彼の場合はある“ややこしい事情”があった。

東京の“病んだ子”にどハマりした

 岩間さんは、俳優の大森南朋にメガネをかけたような見た目、小柄で物静かな雰囲気の男性だ。西日本の山間部に生まれ育ち、高校卒業後に某県の県庁所在地で2年ほど働いたあと、20歳で上京。26歳のとき、都内のライブハウスで当時22歳の結衣さん(仮名/現在40歳)と出会う。 「大正モダンって言うんですかね。レトロなワンピースに釣鐘型の帽子、黒髪のボブ。ちょっとコスプレが入っていて、かなり周囲の目を引いていました。誰もが振り返る目鼻立ちの整った美人で、過去には青文字系雑誌に読者モデルとしてちょくちょく出ていたようです。ブレスレットの隙間からはリストカットの痕が見えていました」  典型的な“危ういタイプ”の結衣さんに、岩間さんは惹かれていった。 「自分もまだ20代で若かったので、東京の“病んだ子”の危うさに、どハマりしてしまったんです。あのなりで、太宰治や坂口安吾が愛読書で、とんがった音楽が好きだとか言われちゃったら、僕みたいなコンプレックスまみれの田舎者なんて瞬殺ですよ」 ぼくたちの離婚 Vol.18 結衣さんは不安定だった。   「結衣はパニック障害に悩まされていて、3級の障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を持っていました。しかも10代の頃に親から勘当されていて、20歳の時、つまり僕と出会った2年前に結婚してました」

引っ越しの手伝いで感じた、違和感

 既婚者ゆえ、岩間さんは結衣さんと男女の仲になろうとは微塵も考えなかった。共通の友人を交えてたまに飲むという関係のまま、月日が経つ。しかし約8年後、突然転機が訪れた。岩間さん34歳、結衣さん30歳の時だ。 「結衣から夫のDVが激しくなったと相談を受けました。それで僕と友人が『そんなに大変なら離婚したほうがいい』とアドバイスして、離婚の後押しをしたんです。当時の僕は彼女もいなかったので、正直、下心ありありで、あわよくば僕の手に……と思っていました」  数カ月後、結衣さんの離婚は無事成立。離婚届の証人欄には岩間さんと友人が署名した。しかし離婚に伴う引っ越しの手伝いを買って出た岩間さんは、引越し当日、結衣さん夫婦が住んでいたというマンションに到着すると、即座に「おかしい」と感じる。 「彼女のマンションに行ったのは初めてだったんですが、元夫と住んでいた形跡がまるでないんです。ずっと彼女がひとりで暮らしていたように見えました。しかも部屋は荒れ放題。それで思ったんです。もしかすると彼女の夫が彼女にDVを働いたのではなく、彼女の精神不安定に疲弊した夫が、ずっと前に出ていっただけなのではないか?って
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