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女の敵は女? 「セクハラ野次」に追従する女たち

 東京都議会の塩村文夏都議が議会で晩婚化対策について質問していた際に「早く結婚しろ」「産めないのか」などの野次が飛ばされたことに批判が集中した「セクハラ野次問題」。自民党の鈴木彰浩都議が「野次を飛ばしたのは自分だ」と名乗り出て、塩村議員に謝罪。ほかにも野次を飛ばしていた議員がいたことに関して、犯人探しはしないと都議会は決議したが、乱暴な「幕引き」を疑問視する声も多く、今後の展開が注目されている。

 このニュースを受けて、未婚既婚問わず多くの女性は猛反発。自身も少なからず似たような「セクハラ野次」の被害に遭ったことがあるという女性も多いからだろうか。しかし一方で、質問中に困って笑みを浮かべたり、最後には涙を浮かべた塩村議員に対して「へらへらと笑ってるからナメられる」「あそこで泣いたのはダメ」「最後まで泣かずに質問を終えてほしかった」といった苦言を呈した女性も少なからずいる。「女に厳しい女」というのはどこにでもいるもの。巷の「女に厳しい女」の例を集めてみた。

女の敵は女

男性からの野次よりも、女性からの野次のほうが根深い

生理休暇を使った新人OLに「有り得ない」とネガキャンする50代女性



「配属先の部署での慣れない仕事がたたり、元々重かったPMSと生理痛が悪化。新人なのに申し訳ないとは思いつつ、生理休暇を使って、半休を取ることにしたんです。そしたら指導社員の男性が『新人のくせに半休取るなんて』と激怒してしまって……」と困惑するのは印刷会社に勤務する太田奈美さん(仮名・22歳)。

 太田さんが日ごろから重い生理痛に悩まされていることを知っていた、歳の近い先輩女性が「あのコ、毎月本当に生理が重いんですよ。半日休めばだいぶよくなると思うんですけど」となだめようとしたが、太田さんが生理休暇を使ったことを知らなかった指導社員男性は「生理休暇? そんなもの使うなんてますます信じられん!」とエスカレート。ほかの部署の50代女性に「生理休暇を使って半休を取るほど生理痛というのは重いものなのか」と聞き取り調査を開始。聞き取り調査までするのも驚きだが、それに対する先輩女性の返答はさらに太田さんを驚かせた。「そんなヒドい生理痛なんて聞いたことない。生理休暇を使うなんて甘えてるだけだから厳しく言ってやったほうがいい」と答えたというのだ。

「生理休暇なんて制度もなく、生理痛で休んだりしたらナメられる、と思って仕事での立場を切り開いてきた世代の女性だから、気持ちはわからないでもないんですけど……。でも、せっかく制度が整ってきた現状を、女性自らが否定するような発言をする必要はないと思うんですけどね」

 社内のいろんな女性に生理痛について聞いて回った指導社員男性の活躍は、ついに上長(♂)の知るところとなり、指導社員は注意を受ける。頼もしい上長に感謝する太田さんだったが、話はそれで一件落着とはいかなかった。

「『生理痛で休むなんて有り得ない』と言っていた先輩女性を指して『まあ、あの人ももう50歳過ぎだしさ、閉経してるから生理痛とかわかんないんだよ』って。私を慰めようとしているだけに怒るわけにもいかず、へらへらとほほ笑むしかできませんでした」

飲み会でのセクハラをやり過ごしていたら「チヤホヤされてると勘違いしてる」と陰口



 部内の飲み会の度に『まだ結婚しないのか』『最近ご無沙汰なのか』『肌がカサカサだぞ? ヤッてないからだろ?』『若い男見るとムラムラするんだろ? 新人男子のアイツとかどうだ?』などと、絵に描いたようなセクハラを受けているというのは、専門商社に勤める近藤美香さん(仮名・31歳)。

「まあ、普段の仕事では信頼できる部分も多い上司だし、下手に怒って波風立てるよりも『ハイハイ』って聞き流したほうがいいかなと思って、笑って対応していたのがよくなかったみたいです」と肩を落とす。というのも、同僚・先輩女性からの「あのコはセクハラされてバカにされてるのを、チヤホヤされてると勘違いしてる。そもそも普段の態度も男に媚びているあのコにも原因がある」とバッシングが始まったのだ。

「『若い男見るとムラムラするんだろ?』とか言われてチヤホヤされてると勘違いするわけないじゃないですか。バカにされてるってわかってるし、ヘラヘラ対応している自分を周りの女性に見られているのもつらいし、言い返せない自分に自己嫌悪もします。それを、近くにいる同じ女性に非難されるんだと思うとやりきれませんでしたね。痴漢された女性に『痴漢をされるような格好をしていたあなたも悪い』と責めるのと同じ理論なのでは……と思いました」

 こうした「女に厳しい女」の言動は、男性社会のなかで多くの我慢をしながら仕事を獲得し、成功してきた女性に多く見られるといわれている。「野次にショックを受けて泣く」「生理休暇を申請する」「セクハラを笑って受け流す」という女性性を肯定したら、「女性性を完全に封印して努力してきた自分」というアイデンティティを喪失してしまうからだろうか。だが、男性のセクハラに困惑する女性に、女性が「野次」を飛ばしてしまっては、最終的には同性である自分のクビをしめるだけなのだと冷静に肝に銘じたいところだ。

<TEXT/女子SPA!編集部>




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