女性に多いめまい、その原因と対策。長時間の同じ姿勢も要注意
女性に多いと言われている、めまい。経験したことがなく突然起こると、なにか悪い病気なのでは? なんて焦ってしまいます。気になったらもちろん病院に行くのが一番なのですが、色々な検査をしても結局「原因不明」なんてことも。
産科婦人科舘出張(たてでばり)佐藤病院の院長・佐藤雄一先生によると、女性のめまいには、ホルモンも関係していることもあるとか。そこで今回はめまいについて、考えられる原因、危ないものとそうでないものの見分け方、日常的な注意点など、佐藤先生に詳しく聞きました。
――めまいは女性に多いといわれているようですが、なぜなのでしょう?
佐藤雄一先生(以下、佐藤)「女性のめまいは男性の約2.5倍多いです。男女とも、めまい症状は加齢変化のため70代で増加します。ただ女性の場合は10代から増加して30~50代が多く、70歳から再度増加してきます。
女性のめまいが多いのは、加齢だけでなく女性ホルモン(エストロゲン)の影響および社会・心理的背景の関与が考えられます。女性の方が健康や体調の変化に敏感で、すぐに受診するためとも言われてます」
――めまいが起こったら、まず何をすべきですか?
佐藤「めまいの発作が起きたときは、まずはあわてないことが大切。転倒しないよう注意しながら、座れる場所や横になれる場所へ移動し、楽な姿勢でしばらく休みます。車を運転しているときは、すみやかに路肩に駐車し休みましょう」
――めまいの原因は何ですか?
佐藤「めまいの原因には、次のようなものがあります。
1. 急に立ち上がった時などに起きる血圧の低下である起立性低血圧
特に思春期に多い
2. ストレスや過労や更年期障害での自律神経の乱れ
(ア)過労や睡眠不足、精神的なストレスなどがつづくと、自律神経が乱れやすく、ふわふわしたり、クラクラするめまいがおきる。耳鳴りや頭痛、肩こりなどの症状があらわれることもある。
3. 耳の異常
(ア)突発性難聴やメニエール病
突発性難聴やメニエール病は、突然急に聞こえが悪くなったり、めまいや耳鳴りを起こす病気です。原因不明ですが、過労やストレス、睡眠不足などが関係しているとの報告もあります。なるべく早めに受診することが重要です。
(イ)良性発作性頭位めまい
良性発作性頭位めまいは、内耳にある耳石が、何かの拍子で三半規管の中に入り込んでしまうことでリンパ液の流れに異常を生じ、回転性のめまいを起こします。特定の方向に頭を動かしたときにだけ症状が見られるのが特徴です。長時間同じ姿勢でいることが原因で起こると考えられています。
(ウ)内耳炎、慢性中耳炎
細菌やウイルスの感染による炎症がおこると、難聴・耳閉塞感・耳鳴りなどの聴覚症状や、めまい・ふらつきなどの平衝障害などが現れます。
(エ)加齢性平行障害 加齢によるふらつき
加齢とともに平衡機能に関わる器官の機能が落ちてきます。高齢者のめまい・ふらつきでは筋力の低下、視力の低下、自律神経反射の低下など様々な要因があり、その原因を特定できないことが多く見られます。
4. 脳の異常
(ア)脳梗塞 脳出血
(イ)脳腫瘍など 頭の病気 頻度は高くない
5. その他
貧血や目の問題、循環器(心臓などの脳循環障害おこすもの高血圧)、さまざまな病気の症状としてめまいをおこすこともあります」
女性のめまいは男性の2.5倍も多い
ストレス、耳、脳の異常まで、めまいの原因はさまざま

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